2025-07-22 コメント投稿する ▼
介護情報基盤を2028年までに全国展開へ 厚労省がスケジュール通知と補助策を公表
2028年4月までに全国導入へ 介護情報基盤が始動 厚労省がスケジュール通知と補助制度を明示
厚生労働省は7月22日、新たなICTインフラ「介護情報基盤」の全国展開に向けた運用スケジュールを公表し、2028年4月までにすべての市町村で本格運用を開始することを明らかにした。介護保険最新情報Vol.1405により全国に通知された内容で、来年4月から段階的に自治体ごとに運用をスタートさせる。
この介護情報基盤は、介護現場の負担軽減、そして情報連携の迅速化・高度化を目的に設計されたクラウド型の共有システム。国が推進する「介護DX(デジタルトランスフォーメーション)」の中核を担うとされ、全国の介護事業所、医療機関、市町村など多様な関係者がオンラインでリアルタイムに情報を共有できるようになる。
介護現場の事務負担を削減 クラウドで情報共有
「介護情報基盤」は、介護保険証や要介護認定の情報、主治医意見書、ケアプランなどを対象に、クラウド上で一元的に取り扱える仕組みだ。従来のように紙媒体や郵送を使った煩雑なやりとりを削減し、現場の職員が迅速に必要情報にアクセスできる環境を実現する。
これにより、各利用者のケアに必要な情報がタイムリーに共有され、より精度の高いサービス提供が可能になる。また、介護・医療・行政の三者がシームレスに連携できる体制が整うことで、地域包括ケアの質向上にもつながると期待されている。
「これが現場の手間を減らすなら歓迎」
「紙とFAX文化からやっと脱却できそう」
「事務に追われてた時間をケアに回せるように」
「ネット接続の安定性やセキュリティも整えてほしい」
「こういうことに税金を使ってくれるのはありがたい」
補助制度で導入コストを支援 端末設定や証明書対応も
介護情報基盤の利用には、各事業所がクラウド環境へのアクセスを確保する必要がある。そのためには、クライアント証明書の取得やカードリーダーの導入、端末の初期設定といった準備が求められる。
厚生労働省はこの導入負担を考慮し、新たな補助制度を設ける方針を示した。国保中央会が設ける専用ポータルサイトを通じて申請を行えば、必要機器やソフトの導入費用について支援を受けることができる。
補助対象には、カードリーダーの購入費用、設定作業の外注費用、クラウド接続のためのセキュリティ対策費用などが含まれる見通しで、今後詳細が順次発表される予定だ。
ケアプラン連携システムと統合 業務効率と質の向上へ
既存の「ケアプランデータ連携システム」については、介護情報基盤に統合される方針が改めて示された。これにより、事業所が複数のツールを使い分ける必要がなくなり、ひとつのWebサービスから多種多様な情報へのアクセスが可能となる。
統合後の情報基盤では、各事業所や医療機関がそれぞれに最適化された形で情報を閲覧・共有できるだけでなく、業務コストの削減と、ケアマネジメントの精度向上も期待される。
厚労省は今後、「介護情報基盤」の円滑な導入を支援するため、全国説明会の開催やQ&Aの公開、マニュアル整備など、運用現場に寄り添った取り組みを強化していく方針を明らかにしている。