2025-05-30 コメント投稿する ▼
厚労省が介護連携強化に本腰 中核事業所に補助・優遇へ制度設計進む
厚労省、地域介護の連携強化へ中核事業所に支援 制度改正視野に議論進む
介護サービスをより効率的かつ持続可能な体制へと進化させるため、厚生労働省は、地域内の介護事業所同士が連携しやすい環境づくりに乗り出している。その中心的な役割を担う事業所に対し、財政的・制度的なインセンティブを用意する方向で制度設計の検討を進めている。
この動きは、4月に発表された有識者会議の「中間とりまとめ」でも方針として示されていたもので、5月30日に開かれた関係者会合では、次回の報酬改定を視野にさらに議論が深められた。
業務効率化と経営支援がカギに
注目されるのは、ただの報酬アップではなく、バックオフィスの効率化や施設・設備の共同活用といった実務面での支援だ。記録作成や書類の整備、請求事務といった業務を効率化し、余ったリソースを利用者支援に充てられるようにする構想である。また、物品の共同調達や経営支援によるスケールメリットの創出も盛り込まれている。
中心的役割を担う事業所は、その分責任や業務負担が増えることから、こうした取り組みを担いやすくする仕組みづくりが課題となる。厚労省はその解決策として、インセンティブ制度の導入を検討中だ。
都市と地方で異なる課題に対応
支援制度は全国一律ではなく、地域ごとの事情に応じた柔軟な対応が求められている。人口減少が進む中山間地では、人手不足や事業所の存続が深刻な一方、都市部では連携の煩雑さや施設間競合が課題となっている。
このため、厚労省は地域軸を重視した制度設計を目指し、インセンティブの内容も複数の手法を組み合わせる方針だ。たとえば、補助金や人員配置の柔軟化、さらには税制上の優遇措置などが候補に挙がっている。
社会福祉法人だけに限定せず
インセンティブの対象としてまず名前が挙がっているのは、地域に根差した運営を行っている社会福祉法人だが、厚労省は「制度を特定の法人格に限定するつもりはない」としており、民間の介護事業者にも門戸を開く姿勢を見せている。これは、地域ごとのプレーヤーが異なる現実を踏まえた柔軟な対応といえる。
ネットユーザーの声
「中小の事業所だけでなく、大手の法人にもきちんとルールを守らせてほしい」
「地域の介護はその地域で守る。だからこそ連携の仕組みは必要だと思う」
「インセンティブ制度、期待しています。現場は本当にギリギリの状態ですから」
「効率化って言うけど、ITが使えない現場も多いんだよ。サポート体制もちゃんと整えて」
「この制度がちゃんと機能すれば、将来の介護崩壊を食い止められるかもしれない」
制度の詳細は今後詰められていくが、政府としては、2026年度の次回介護報酬改定までにある程度の骨格を固めたい考えだ。多様な事業者が関わる介護業界において、現場の実態に即した施策を導入できるかどうかが成否を分ける。
政府には、地域住民が安心して高齢期を迎えられる社会の実現に向けて、柔軟で持続性のある支援制度を打ち出すことが求められている。