2025-05-09 コメント投稿する ▼
厚労省、介護・障害・保育分野の連携強化 地域に合わせた柔軟なサービス提供体制を目指す
厚労省、介護・障害・保育の連携強化に本腰 分野横断的な体制整備を議論
厚生労働省は9日、介護、障害福祉、保育の三分野にわたるサービスの連携強化を目指し、「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会を開いた。人口減少や人手不足が進む中、地域ごとに異なる課題に対応できる仕組みを整えるため、制度の枠を超えた新たなアプローチを模索する。
地域の実情に合わせた柔軟なサービス提供を目指す
厚労省は特に中山間地域や人口減少地域に焦点を当て、これらの地域での福祉サービスの維持を図る方針を示した。現行の制度では分野ごとに分かれている人員配置や設備の使用ルールを柔軟化し、複数の分野での人員兼務や施設の共用を認めることも検討している。
「地域ごとに異なるニーズに対応するため、画一的な基準から脱し、柔軟な運用を可能にしたい」と関係者は語る。具体的には、介護施設の職員が障害福祉の業務も兼任したり、保育施設の設備を地域の高齢者向けサービスにも活用できるような仕組みが検討されている。
共生型サービスの拡大を推進
また、厚労省は介護と障害福祉のサービスを一体的に提供する「共生型サービス」の拡大も目指す。共生型サービスは、同じ施設で介護保険と障害福祉サービスの両方を提供するもので、人材の有効活用や運営コストの削減につながると期待されている。
現行では、介護事業所が障害福祉サービスを、またはその逆を提供する場合、厳格な基準をクリアする必要があったが、今後は地域の実情に合わせた柔軟な基準設定が検討される見通しだ。
現場の声を踏まえた政策設計
今回の検討会では、地域で工夫を凝らしながらサービスを提供している4人の実践者が招かれ、それぞれの取り組みが紹介された。彼らの現場の経験をもとに、厚労省は現実に即した制度設計を進めたい考えだ。
「現場の知恵を生かしながら、柔軟で効果的な仕組みを作りたい」と厚労省担当者は語る。今後は制度改正や報酬改定も視野に入れた議論を続け、持続可能なサービス提供体制の確立を目指す方針だ。
* 厚労省は介護、障害福祉、保育分野の連携強化を本格化。
* 中山間・人口減少地域での人材兼務や施設共用を検討。
* 介護と障害福祉の共生型サービスを拡大し、柔軟な運営を推進。
* 地域の実践者の声を政策に反映し、持続可能な福祉サービス体制を構築。
厚労省は2040年に向け、地域の実情に応じた柔軟な福祉サービス提供体制を目指している。