2025-05-09 コメント投稿する ▼
「ドラッグロス」解消へ、厚労省が6品目の治療薬開発を要請 国内企業に新たな支援策
厚労省、ドラッグロス解消へ6品目の開発要請
厚生労働省は、海外で利用可能だが日本では承認されていない医薬品「ドラッグロス」を減らすため、新たに6品目の開発を国内企業に要請することを決定した。9日に開かれた専門家会議で承認を受け、国内での臨床試験支援も実施する方針を示した。
この取り組みは、従来のように学会や患者会からの要望を待つのではなく、厚労省自らが医療ニーズを調査し、必要性を判断して候補品目を選定する新たな手法を採用。特に希少がん「消化管間質腫瘍」の治療薬をはじめ、マラリアや炭疽菌感染症治療薬、ニキビ治療薬、2種の抗菌薬が開発対象として選ばれた。
ドラッグロスの現状:国内未承認薬86品目
日本では、海外で使用されているにもかかわらず国内で承認されていない医薬品が2023年3月時点で86品目に上る。これらは特に希少疾病治療薬や小児向けの薬が多く、必要とする患者が治療を受けられない状況が続いている。
ドラッグロスの発生要因としては、日本の薬価制度の予見性の低さや国際共同治験への参加のハードルの高さが指摘されてきた。また、日本市場の成長鈍化や、日本人患者を対象にした臨床試験が必須とされることも障壁となっている。
厚労省の新たなアプローチ:企業への開発要請
今回の開発要請は、厚労省が2024年に設置した研究班が中心となり、国内での医療ニーズと疾患の重大性を総合的に評価。特に患者の生命に関わる疾患や、類似薬が存在しない治療薬が優先的に選ばれた。
さらに、これまで患者会や学会からの要望を待つスタイルから転換し、厚労省自身が必要な医薬品を積極的にリストアップし、企業に開発を要請する形に変更した。これは、日本での医薬品開発を迅速化し、患者の治療選択肢を広げることを目的としている。
ネットの声:患者や医療関係者から賛否
「やっと動き出した。遅すぎるけど、まずは一歩前進。」
「海外では使える薬がなぜ日本で使えない?ずっと疑問だった。」
「企業任せではなく、政府が責任を持つべき問題だ。」
「日本人向けのデータが必要とはいえ、手続きが遅すぎる。」
「患者の命がかかっている。迅速に進めてほしい。」
今後の展望:制度改革と国際協力の強化へ
厚労省は、今回の開発要請に続き、ドラッグロス解消に向けたさらなる制度改革を検討している。具体的には、国際共同治験への参加を容易にし、日本での臨床試験要件を緩和する方向で議論が進んでいる。
また、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定要件を見直し、企業が開発に参加しやすい環境を整えることも課題となっている。日本国内で必要な医薬品が迅速に利用可能となることが、患者や医療従事者から期待されている。