2025-05-02 コメント投稿する ▼
訪問介護の加算要件を緩和:厚労省、地方の小規模事業所支援で柔軟対応を実施
訪問介護の加算要件を緩和 厚労省、地方の小規模事業所を支援
厚生労働省は2025年5月から、地方の小規模な訪問介護事業所が利用できる「中山間地域等における小規模事業所加算」の要件を緩和することを決定した。これにより、経営が厳しい地方の事業所がより柔軟に加算を受けられるようになる見通しだ。
加算要件の変更で柔軟性を確保
これまで、加算の対象事業所は「前年度の1月あたりの訪問回数が平均200回以下」とされていたが、新たな基準では「前年度のいずれかの月の訪問回数が概ね200回以下」と変更された。この「概ね」という表現には幅があり、例えば前年度の訪問回数が平均600回以下の事業所でも加算の対象になり得るという。
さらに、対象地域も拡大される。これまで加算は「地域区分が『その他』」の事業所に限られていたが、今回の改正で過疎地、辺地、豪雪地などの事業所も加算を受けられるようになった。厚労省は地方の実情を踏まえた柔軟な対応を求めており、この措置が地方の介護サービス維持に貢献すると期待されている。
経営厳しい地方事業所を支援
地方の小規模な訪問介護事業所は、過疎化や高齢化によるサービス需要の減少や、人材不足といった課題に直面している。訪問回数の基準が厳しいことが理由で、加算を受けられない事業所も多かった。今回の要件緩和は、こうした事業所が経営を維持し、サービスを継続できるようにするための措置だ。
自治体への柔軟な対応を求める
厚労省は都道府県に対し、加算申請を通常の締切にかかわらず柔軟に受け付けるよう求めた。これにより、対象となる事業所が早期に加算を受けられるよう支援するという。現場の声を反映し、スピーディーな対応が期待されている。
今後の課題:サービスの質維持と人材確保
一方で、加算要件の緩和だけで地方の介護問題が解決するわけではない。人材不足やサービスの質維持といった課題も依然として残っている。厚労省は今後も、地域の実情に応じた支援策を検討し、介護サービスの維持・向上に向けた取り組みを続ける方針だ。