2025-04-30 コメント投稿する ▼
厚労省が認知症計画づくりを全面支援 補助金・手引き・動画・相談窓口で自治体を後押し
認知症対策の後押しへ
厚労省、自治体に「計画策定支援」を改めて通知 相談窓口や補助制度も用意
認知症の人が住み慣れた地域で安心して暮らせる社会をつくる――そんな理念のもと、厚生労働省が全国の自治体に向けて、認知症対策の計画づくりを後押しする新たな通知を出した。4月30日付で発出されたこの通知では、計画策定に役立つ各種支援策がまとめられており、現場の職員や関係者からも注目が集まっている。
地域に根ざした「認知症施策推進計画」を後押し
通知の背景にあるのは、昨年1月に施行された「認知症基本法」だ。法律では、国が基本計画を策定し、それをもとに各自治体が地域の実情に合わせて「認知症施策推進計画」を作ることが求められている。
厚労省はこの取り組みをよりスムーズに進めてもらうため、今年度の補正予算に基づく支援事業や、役立つ資料、動画、相談窓口などの情報を、介護保険最新情報Vol.1381を通じて周知した。
準備費用も支援、本人参画を重視
具体的な支援内容としては、計画の準備段階で必要な経費(住民への啓発、当事者の声を聞く場の設置など)を補助する「策定準備支援事業」が目玉だ。これは補正予算で用意された制度で、年度内の書類提出を条件に自治体の負担軽減を図っている。
あわせて、厚労省は計画策定の「手引き」も2種類公表している。一つは実務的な流れをまとめた文書、もう一つは当事者の参画を促すための具体的な工夫や考え方を紹介する内容だ。形式にとらわれず、本人の思いをどう施策に反映させていくかが重視されている。
現場の声を生かす動画や相談体制も
さらに、YouTubeの厚労省公式チャンネルでは、計画策定の意義や注意点を語る解説動画を公開。認知症の本人、医療・介護の専門職など、さまざまな立場の声を座談会形式で紹介している。
加えて、各自治体の担当者向けには、個別の相談窓口も設置されている。オンライン対応に加え、必要があれば現地に出向いて助言する体制も整えられており、地域の悩みに寄り添う姿勢がうかがえる。
厚労省「策定状況を確認し、今後も支援続ける」
厚労省では、例年どおり各自治体の取り組み状況についても調査を行う予定だ。今回の通知で示された支援策が、まだ計画に着手していない自治体の背中を押すことを期待している。
認知症への対応は、医療や福祉にとどまらず、地域全体でどう支えるかが問われる時代に入った。厚労省の取り組みを契機に、自治体がより具体的な行動を起こすことが、共生社会の実現に向けた一歩になる。
* 厚労省が「認知症施策推進計画」づくりを後押しする通知を発出
* 計画準備費用を補助する新事業や、策定の手引き、解説動画などを提供
* 現地対応も可能な相談窓口を設置し、地域ごとの支援体制を強化
* 認知症基本法に基づき、自治体の具体的な行動が今後の鍵に