2025-04-28 コメント投稿する ▼
老人ホーム紹介で“高齢者に値段”を設定?手数料の不透明な実態に厚労省がメス
高齢者に“値段”がつけられる現実 老人ホーム紹介の裏側が議論に
厚生労働省が4月28日に開いた有料老人ホームの課題を議論する検討会。その第2回会合では、施設運営者や入居者を紹介する事業者が出席し、現場で起きている実態について率直に語った。
議論の中で浮かび上がったのは、紹介事業者が入居希望者の状態に応じて“価格”を設定しているという、看過できない問題だった。
紹介手数料が高齢者の「状態」で決まる?
「正直に言うと、我々もおかしいとは思っていなかった」。ある紹介事業者はそう語った。入居者の介護度や医療ニーズが高ければ高いほど、紹介手数料を高く設定していたという。
あるケースでは、要介護1の人を紹介した場合の手数料が30万円、要介護5になると50万円、訪問看護を1日3回受けるような人になると最大100万円近くに跳ね上がっていたとされる。
日本医師会の江澤和彦常任理事は「疾患や状態で値付けするのは、社会保障の理念から外れる」と厳しく指摘した。
利用者に手数料は知らされず
紹介事業者の多くが「手数料は入居者本人には伝えない」と証言する。つまり、本人や家族は“最適な施設”に入ったつもりでいても、実は紹介事業者が最も多くの手数料を受け取れる施設へと誘導されている可能性があるというのだ。
ホーム運営者の1人は「うちのような良質な紹介業者だけではない。業界には何百もの事業者がいて、収益確保のために無理な手数料を設定するところもある」と吐露した。
厚労省の対応と今後
このような現状を受けて、厚労省は昨年末に「設置運営指針」を改正し、紹介手数料が要介護度や医療必要度によって変わるような設定は望ましくないとする方針を明確に打ち出した。
さらに、手数料の透明性や事前開示のルールづくり、紹介事業者の登録制度の見直しなども検討されている。今後、夏までに一定の方向性を示す方針だ。
ネットには怒りの声も
SNS上では、多くのユーザーがこの話題に反応している。
「高齢者を値段で見てる時点で終わってる」
「紹介業者が儲けて、本人は知らぬ間に誘導されてるとか怖すぎる」
「手数料は開示して当然だと思う」
「家族にとっては大切な決断なのに、ビジネスの道具にされてる感じがする」
「役所はこういうのをもっと早く指導すべきだ」
制度の透明化は急務
高齢化が進む中、老人ホーム選びはますます重要になっている。しかし、制度の裏側では、利用者の無知につけ込む構造が温存されてきた。紹介事業者のビジネスモデルにメスを入れると同時に、利用者が納得して選べる環境をどう整えるか——今まさに問われている。