2025-05-01 コメント: 1件 ▼
参院選後に“こっそり改悪”? 高額療養費制度の見直しに広がる不信と怒り
高額療養費制度の見直し始動 専門委員会が秋に結論
厚生労働省は5月1日、医療費が高額になった際に患者の自己負担を抑える「高額療養費制度」の見直しに向け、専門委員会を設置した。高齢化の進展で制度の支出が膨らみ続けていることを背景に、今秋をめどに制度の方向性をまとめるとしている。
専門委員会の役割と構成
今回設けられる専門委員会は、厚労相の諮問機関である社会保障審議会の医療保険部会の下部組織として設置。医療保険の運営者や医療従事者、患者団体、高齢者代表などが参加し、広い視点から制度の課題と解決策を探る。
また、長期療養中の患者やがん患者団体など、制度の影響を直接受ける当事者の声も反映させるという。
なぜ秋なのか?“選挙後に議論開始”への不信
だが、制度の見直しが本格化する時期が「参院選の後」であることに、疑問の声が広がっている。
先の衆院選では、高額療養費制度の見直しは争点にすら挙がらなかった。与党側は「少子化対策の財源確保の一環」と説明しているが、選挙後すぐに議論を始める姿勢に対し、「有権者に本音を隠したまま選挙を乗り切ったのでは」との批判は根強い。
実際、ネット上では以下のような声が相次いでいる。
「結局、選挙が終わったら“改悪”ですか。こういうのが一番信頼を失う」
「現場の声を聞くって言うけど、最後に決めるのは役人と政治家でしょ」
「自民も公明も、選挙中は一言も触れなかったのに」
患者や国民生活への影響は?
高額療養費制度は、たとえば抗がん剤治療や長期入院が必要な場合などに、医療費の自己負担が一定額を超えると、超過分を国が補填する仕組みだ。まさに“命綱”として機能してきた制度だけに、見直しによる影響は計り知れない。
今年3月には、患者団体などの強い反発を受けて一度は見直し方針が凍結された経緯がある。にもかかわらず、今また「秋には方向性を出す」とする政府の動きに、現場からは「拙速だ」「聞く耳を持っていない」と不信が募る。
負担増か制度維持か 真に問われるのは誠実な議論
制度の持続性と財源確保が必要なのは理解できる。しかし、それが“患者の自己負担増”という形でバランスを取られるなら、真っ先に丁寧な説明と国民的議論が必要だったはずだ。
「命を守る制度」を見直すのであれば、選挙後にこっそり進めるようなやり方ではなく、国民の前で堂々と議論すべきだ。そうでなければ、「やっぱり政治家は信用できない」という声がますます強くなるだろう。