2025-08-29 コメント投稿する ▼
雇調金1千億円超の不正受給 福岡厚労相「厳正に対処」給付金依存政策の限界
新型コロナウイルス禍を受けて特例的に拡充された雇用調整助成金(雇調金)で、計1千億円超の不正受給が判明した。 不正の規模は過去の助成制度の中でも突出しており、制度設計の在り方そのものが問われている。 福岡厚労相は「不正を許さない姿勢で臨む」と強調したが、今後は単なる摘発だけでなく、制度自体の見直しが問われる。 雇調金不正問題は、単なる不祥事ではなく、日本の経済政策のあり方そのものを問い直すものだ。
雇調金1千億円超の不正受給、厚労相が厳正対応を表明
新型コロナウイルス禍を受けて特例的に拡充された雇用調整助成金(雇調金)で、計1千億円超の不正受給が判明した。29日の記者会見で福岡資麿厚生労働相は「決してあってはならないことで、厳正に対処していく」と述べ、不正に対する強い姿勢を示した。
雇調金は企業が従業員に払う休業手当の一部を国が補塡する制度で、コロナ禍においては失業防止のセーフティーネットとして拡充された。しかし厚労省によると、2020年4月から2023年3月にかけて実施された拡充措置の中で、今年6月末時点で不正受給総額は約1044億円に達した。不正の規模は過去の助成制度の中でも突出しており、制度設計の在り方そのものが問われている。
「給付金や助成金はやはり不正の温床になる」
「減税ならこうした不正は起きない」
「国民の税金を軽く扱いすぎ」
「スピード優先といっても1千億円はひどい」
「真面目に申請した企業が馬鹿を見る制度設計だ」
不正受給が拡大した背景
福岡厚労相は「膨大な申請に迅速対応するため、チェックが甘くなった可能性がある」と言及した。コロナ禍当時は急激な休業や失業の拡大が懸念され、制度運用は「スピード重視」が優先された。結果的に、審査の簡素化や事後確認の甘さが不正受給を招いた格好だ。
また、代理申請を担った一部の社労士やブローカーが関与し、組織的に虚偽申請を行ったケースも確認されている。不正に手を染めた企業や仲介業者の責任追及に加え、監督体制の不備を正すことが求められている。
給付金依存政策の限界
今回の問題は、給付金や助成金に依存したコロナ対策の副作用を浮き彫りにした。本来、経済対策は一時的な給付ではなく、減税によって国民や企業の負担を軽減する形が望ましい。給付金は即効性がある一方で、不正や不公平を招きやすく、税金の浪費につながる危険が大きい。
国民からは「給付金バラマキではなく恒久的な減税を」という声が根強い。財源を探しての増税を前提にするのではなく、膨張した歳出を見直す「政治のダイエット」が不可欠だ。
制度見直しと国民への説明責任
福岡厚労相は「不正を許さない姿勢で臨む」と強調したが、今後は単なる摘発だけでなく、制度自体の見直しが問われる。助成金依存型の経済政策から、透明性と公平性を重視した仕組みへ転換しなければならない。
不正受給で失われた信頼を取り戻すには、国民への丁寧な説明と再発防止策の徹底が欠かせない。雇調金不正問題は、単なる不祥事ではなく、日本の経済政策のあり方そのものを問い直すものだ。