2025-07-05 コメント投稿する ▼
公約650億円のZOZOマリン建て替え構想、市民負担と企業依存のはざまで見えない未来図
屋外型で再出発、「なぜドームじゃない?」に市長が弁明
老朽化が進むプロ野球・千葉ロッテマリーンズの本拠地「ZOZOマリンスタジアム」について、千葉市は近隣への建て替え移転を前提とした構想案を打ち出した。令和16年(2034年)の開業を目指し、幕張メッセ駐車場への移転を軸に据える計画だ。
注目されるのは、その形状。新スタジアムも現行と同じ「屋外型」とする方針だが、「なぜドーム型にしないのか」という声が市民から相次いでおり、神谷俊一市長は説明に追われるかたちとなった。
市側の説明では、海風を感じる幕張という地域特性を生かすことや、ドーム建設の莫大なコスト回避、近隣で計画されるバスケアリーナとの機能分担といった理由が挙げられている。
しかし、エスコンフィールド北海道のように開閉式屋根を備えた近代的なスタジアムが支持を集める中で、なぜあえて「屋外型」に固執するのか。その判断に疑問を抱く声は根強い。
「また雨で中止になるスタジアム?時代逆行してない?」
「ドームじゃない理由、納得できるような説明じゃない」
「コスト重視で“快適さ”を犠牲にしてほしくない」
「エスコンと比べて見劣りしない設計にしてくれ」
「潮風より安定した試合の方が大事だと思うけど」
建設費650億円、税金投入と民間依存のはざまで
構想の肝は、その巨額な建設費にある。概算で650億円。エスコンフィールド(約600億円)を上回る金額だが、物価高騰の中では今後さらに膨らむ可能性も否定できない。市の担当者は「事業費が増えた場合、機能を落とすことも視野」と語るが、それは市民サービスの低下を意味する危険な発言でもある。
最大の懸念は、財政的な裏付けだ。千葉市が単独でこの金額を捻出するのは現実的でなく、民間企業の参入を強くあてにしている。6月に開かれた事業説明会には38社が参加したが、現段階では「関心がある」にとどまり、具体的な出資や連携の動きは見えていない。
構想段階では「まちの社交場」「街とつながるスタジアム」といったビジョンが語られる一方で、その“まちづくり”に必要な企業の本格参画はまったくの白紙。イメージ図も未完成のままだ。
外資の知見も視野に、都市開発のノウハウが決定打
桜美林大学の小林至教授(スポーツ経営学)は、「単なる球場整備ではなく、“街づくり”の視点が不可欠」と語り、米国の球場運営ノウハウに学ぶ重要性を強調する。
小林氏が例に挙げたのは、アメリカ・アトランタの「トゥルーイスト・パーク」だ。ここでは球場を中心に商業、住宅、ホテル、オフィスが一体化した都市型開発が成功しており、「日本のゼネコンでは太刀打ちできない発想と仕組みがある」と言う。
スタジアム単体ではなく、“新しい街の核”として機能させるには、海外の成功事例や外資の知見を取り入れる発想が必要だろう。だが現状では、民間資金の呼び込みさえままならず、国内の建設業者中心の話に終始している感も否めない。
未完の未来図と向き合う、市民への説明責任
新スタジアム構想は「夢」を語るにはふさわしいが、現段階では夢想にとどまっている。ドームではない理由、財源の裏付け、民間企業の動向、建設スケジュール、まちづくりの全体像——すべてが未確定のままであり、説明責任を果たしているとは言いがたい。
ZOZOマリンスタジアムは、プロ野球だけでなく高校野球や地域イベントにも使われる、市民にとっての重要な公共施設だ。その再整備にあたって、自治体が“税金をどう使うのか”、企業が“どこまで本気で参画するのか”が問われている。
自治体と民間の“夢の共有”が本当に実現するのか。スタジアムの建て替えは、ただの施設整備ではなく、都市ビジョンの成否を占う試金石になる。
この投稿は神谷俊一の公約「スタジアム、アリーナを拠点としたまちづくりを進めます」に関連する活動情報です。この公約は点の得点で、公約偏差値、達成率は0%と評価されています。