千葉市に15億円寄付　金綱一男氏が子供・若者支援基金創設を後押し　地域に広がる驚きと期待

2025-09-03 コメント投稿する ▼

千葉市に前例のない15億円寄付、子供や若者支援基金を創設

千葉市で、教育支援に大きな一歩となる出来事があった。公益財団法人「新日育英奨学会」の理事長であり、新日本建設会長でもある金綱一男氏が、個人として現金15億円を市に寄付した。さらに奨学会が保有する同社株式30億円相当も市に提供し、合計で45億円規模の寄付となった。これを受け、千葉市は子供や若者の未来を応援する基金を創設。3日に市役所で開かれた贈呈式では、神谷俊一市長が感謝状を贈り、市消防音楽隊が感謝の気持ちを込めて演奏を行った。

神谷市長は「基金の創設は、市の子供・若者施策を推進し、希望ある地域社会をつくる上で極めて大きな一歩」と語り、その活用に強い決意を示した。

寄付の背景と金綱氏の思い

金綱氏は長年、地元千葉で教育支援に関わってきた。自身が理事長を務める新日育英奨学会では、給付型奨学金を通じて経済的に困難な家庭の子供たちを支援してきた実績がある。今回の寄付について、同氏は「子供や若者がいろいろな世界があることに気づき、どんな境遇であっても頑張れる機会を与えたい」と強調。家庭環境による体験格差を埋め、挑戦の機会を広げることを目的にしている。

市は基金を具体的にどう活用するか、今後の検討課題としているが、奨学金制度の拡充や学習環境整備、子供の居場所づくりなど、多方面での支援が期待されている。

市民やネット上で広がる反応

このニュースは地域に驚きをもって受け止められ、ネット上にもさまざまな声が寄せられている。

「個人で15億円なんてすごい。真の地元貢献だと思う」
「給付金ではなく、基金化するのが素晴らしい。長期的に役立つはず」
「行政任せではなく、民間から動く姿勢に感動した」
「若者の可能性に投資する形で地域全体が変わりそう」
「こういうお金の使い方が社会を豊かにする」

寄付を通じた支援は、行政だけでは補えない部分をカバーするものとして市民に歓迎されている。一方で、具体的な事業内容を透明性高く示すことが、今後の信頼につながるとの意見もある。

国内外との比較と今後の期待

寄付文化は欧米に比べると日本ではまだ定着していない。米国では億単位の寄付が社会貢献活動の一環として広く行われ、奨学金や研究基金の源泉となっている。日本でも近年、大規模な寄付が増えてきているが、依然として「例外的」な位置づけにとどまっている。

今回の千葉市のケースは、地方都市で民間の大規模寄付が自治体施策に直結するという点で画期的だ。市は基金を通じて「子供や若者支援」を掲げているが、単なる金銭給付にとどまらず、学習・文化・スポーツ・地域活動など多様な分野で「体験の格差」を埋める施策が求められる。

社会全体で「子供の可能性をどう広げるか」という議論を深める契機となり、寄付を出発点にした官民協力のモデルケースとして注目される。