2025-06-22 コメント投稿する ▼
山下芳生氏が名古屋で消費税5%減税を訴え 「年12万円の負担減」と再分配の必要性を強調
山下芳生氏が名古屋で「消費税5%減税」訴え 共産党支持層に広がる期待と疑問
7月の参議院選挙を前に、各政党が経済政策を掲げて舌戦を繰り広げる中、日本共産党の山下芳生副委員長は6月22日、名古屋市内で開かれた「生協労働者のつどい」に出席し、消費税の一律5%への減税を柱とする政策について熱く語った。
この催しは、日本共産党愛知県生協労働者後援会が主催し、生活協同組合の関係者や労働者らが多く参加した。山下氏は壇上で、「大企業と財界を優遇する政治を転換しなければ、庶民の暮らしは良くならない」と力を込め、共産党の躍進を呼びかけた。
「消費税は逆進性の象徴」 一律5%で年12万円の負担減
参加者からの質問で特に関心を集めたのは、消費税の減税とその財源についてだ。山下氏は、「消費税は逆進性の強い税制であり、低所得者ほど負担が重くなる」と語り、一律5%への引き下げによって、年収400万円程度の家庭では年間12万円ほどの負担軽減につながると説明した。
また、「税の集め方のゆがみを正すことが、減税とセットで必要だ」としたうえで、「富裕層や大企業には応分の負担を求めるべき」との考えを示した。
「一律5%減税って、本当に助かる。12万円あれば光熱費もなんとか…」
「財源は“応分の負担”って、具体的にどうやるの?」
「消費税減税は共産党が一番最初に言ってた。そこは認める」
「でも企業や富裕層を狙い撃ちにして経済が回るの?」
「5%減税で景気も回るなら、なぜ与党はやらないのか不思議」
ネット上では、消費税減税の主張に一定の共感が広がる一方で、実現可能性や財源論への懐疑も目立っていた。とりわけ「一律減税」への期待は根強く、現行の複雑な軽減税率制度に対する不満の反映とも言える。
生活協同組合と「共産主義社会」の親和性?
イベントの中では、参加者から「日本共産党が目指す社会主義・共産主義社会の中で、生活協同組合はどのように発展するのか」との質問も飛び出した。
これに対して山下氏は、「生産者が主役となり、安定した暮らしが保障された中で、消費者の声が生産に活かされる」と語り、生協という仕組みが持つ協働性や地域性を共産主義的な価値観と重ねて評価した。
生協労働者にとって、自らが関わる仕事が政治や社会の仕組みとどう関係しているのかを意識する機会となったようだ。
「生協って、元々は資本主義への対抗手段でもあったんだよね」
「共産主義っていうと引いちゃうけど、生協の理念と重なる部分もあるかも」
「理想は理解できるけど、現実にはどう実現していくのかが見えにくい」
「市場経済とどう共存していくのか、もう少し話してほしかった」
「職場の現実をちゃんと理解している政治家って、案外少ないから新鮮だった」
現場で働く人々からは、政治と生活の距離を埋めようとする対話に対して一定の評価があった反面、抽象的な理念ではなく、具体策や実効性を求める声も出ていた。
「給付金」より「減税」を主張する論理構築を
共産党はこれまで、消費税の廃止や食料品非課税を訴えるなど、他党に先んじて「逆進性」への問題提起を続けてきた。一方で近年は、他党も消費税減税に言及するようになっており、山下氏のようなベテラン議員にとっても「どう差別化を図るか」は課題だろう。
給付金による経済支援策が繰り返される中、山下氏が掲げる「減税による恒常的な可処分所得の底上げ」という視点は、ある種の説得力を持つ。とりわけ、物価高に苦しむ庶民にとって、ワンショットのバラマキではなく、「毎月の支出が減る」という形の恩恵は実感しやすい。
しかしながら、政府によるばら撒き型の給付金政策と共産党の「再分配重視の税制改革」が、どこまで差別化されて受け入れられるかは不透明だ。理想論にとどまらず、政治的なリアリズムを伴った政策パッケージの提示が求められる。
共感と懐疑の間で 問われる政党の「信頼資本」
今回の集会では、生協で働く労働者からもさまざまな声が上がった。「生協の本来の役割を見つめ直す機会になった」「農業政策でも共産党に期待している」といった肯定的な意見も多く、日常的に制度のひずみに直面している現場の切実さがにじみ出た。
一方で、共産党への政治的信頼は世代や地域によって温度差があり、固定支持層以外にどれだけリーチできるかが鍵となる。社会主義という言葉に過剰に反応する国民感情も依然根強く、戦略的な発信が求められる局面だ。
消費税5%減税というシンプルな政策が、「暮らしのリアル」に届くか。それは、政党の信頼資本がどれほど厚いかにかかっている。