2025-04-28 コメント投稿する ▼
大阪・関西万博「文明の森」が立ち入り禁止に オーク亜化石展示の安全性に懸念広がる
大阪・関西万博「文明の森」が立ち入り禁止に SNS投稿受け安全確認へ
2025年4月28日、大阪・関西万博の会場内で展示されていた「文明の森」が、立ち入り禁止となった。展示物であるオークの亜化石が地震などで倒壊する恐れがあるとのSNS投稿が24日にあったことを受け、万博協会は安全確認の必要があると判断した。
「文明の森」は、万博の「未来社会ショーケース」事業の一環で展示されており、チェコの企業が協賛している。展示には樹齢6,500年以上のオークの亜化石約130本が使用されており、来場者が自由に中を歩き、触れることができるインスタレーションとして話題を集めていた。これらの亜化石は、高さが数メートルにも及び、古代の森のような神秘的な空間を再現していた。
しかし、SNSで「地震が起きたら倒れるのでは」といった懸念の声が投稿され、翌25日には日本共産党の山下芳生参院議員が経済産業省博覧会推進室に対して、展示の安全性について万博協会に確認を取るよう要請。これを受け、協会は展示物の設置者から構造計算などの必要書類は提出されていたものの、「改めて確認が必要な事項があると判断した」として、28日から展示への立ち入りを禁止した。
協会は「安全性が確認され次第、展示の再開を目指す」としているが、具体的な再開時期については未定。現在、安全確認のための調査が進められている。
万博会場では、安全対策が改めて問われている。過去には、2016年に明治神宮外苑で展示された木製ジャングルジムが炎上し、5歳の男児が亡くなる事故もあった。アートや展示物が来場者との距離を縮め、体験型として設計される一方で、構造物としての安全性は不可欠である。
万博協会には、安全対策の徹底と再発防止策の強化が求められる。今回の立ち入り禁止措置は、安全管理に対する意識を改めて喚起する契機となった。展示の再開に向けて、設計上の安全性や地震対策の明確な説明と、訪問者への丁寧な情報提供が必要とされている。今後の動向が注目される。