2025-04-18 コメント投稿する ▼
参院の“良識”に汚点 山崎元議長、安倍派裏金問題で陳謝 政倫審が27人の審査終了
自民党裏金問題、参院政倫審での弁明終了も真相解明進まず
自民党安倍派による裏金問題を巡り、参議院政治倫理審査会(政倫審)は4月18日、山崎正昭元参院議長の弁明をもって、関係する自民党参院議員27人全員の審査を終えた。しかし、資金還流の実態や目的についての解明は進まず、国民の政治不信は依然として根強い。
山崎元議長、資金還流への関与を否定
山崎氏は、2020年から3年間で計4万円の政治資金収支報告書への不記載があったことを認めたが、資金還流の仕組みについては「承知していなかった」と述べた。また、還付については2023年に問題が発覚した後、秘書が派閥に問い合わせて初めて知ったと弁明した。
日本共産党の山下芳生議員は、山崎氏に対し「参院を構成する最大政党の最大派閥で組織的犯罪行為が長年にわたって続いていた。参院の歴史に汚点を残したことについて、議長経験者としてどう認識しているのか」と質問。山崎氏は「民主政治の根幹を壊してしまった。大変申し訳ない」と陳謝した。
政倫審、27人の審査終了も実態解明には至らず
政倫審は、昨年の臨時国会で出席の意向を示した27人全員の審査を終えたが、パーティー券収入の還流が始まった経緯や再開の理由など、実態の解明には至っていない。多くの議員が「秘書任せだった」と述べ、還流の仕組みについても報道で知ったと説明するにとどまった。
野党からは、「『知らなかった』という一言で片付けるのはいかがなものか」との指摘があり、説明責任を果たす姿勢が問われている。
今後の課題と国民への説明責任
山下氏は、参院政倫審幹事懇談会として、裏金事件の真相を解明し、国民に説明責任を果たすことが使命だとの認識で一致していると強調した上で、旧安倍派の最高顧問を務めた山崎氏から、同派幹部を務めた世耕弘成衆院議員に対し、「2人で一緒に真相解明しようと働きかけるつもりはあるか」と追及。山崎氏は「しっかりと世耕さんに申し上げたい」と答えた。
政倫審での弁明が形式的なものにとどまり、実質的な真相解明が進まない現状に、国民の政治不信は深まるばかりだ。今後、どのようにして信頼回復を図るのか、政治家たちの真摯な対応が求められている。