2025-03-13 コメント投稿する ▼
政府の「リスクシナリオ」を批判 山下芳生議員、脱炭素政策の見直しを提案
■リスクシナリオの内容と問題点
リスクシナリオは、いくつかの重要な前提を基にして作られています。その主なポイントは次の通りです。
- 再生可能エネルギー(再エネ)の拡大が進まない
- 水素やアンモニアといった燃料の活用が進まない
- 二酸化炭素回収技術(CCS)の普及が進まない
これらの前提条件に基づき、シナリオでは、CO₂排出量やLNG使用量が大幅に増加することが予想されています。山下議員は、このようなシナリオが日本の国別削減目標の達成を困難にし、国内外での信頼を裏切ることになると述べています。
■再生可能エネルギーの可能性
山下議員は、再生可能エネルギーの潜在力についても強調しました。特に、太陽光発電については、屋根置きや遊休農地を活用するだけでも大規模な導入が可能だと指摘しています。また、風力発電についても、潜在的なポテンシャルが高く、浮体式洋上風力の導入を進めることで、さらに大規模な発電が可能だと述べました。これらの取り組みは、地域のエネルギー収支を改善し、地域活性化にもつながると山下議員は強調しています。
■水素・アンモニア燃料活用のリスク
一方で、山下議員は水素やアンモニアを燃料として利用する技術には大きなリスクがあると警告しています。これらの技術はまだ発展途上であり、特に先進国では導入が進んでいません。さらに、日本国内での水素やアンモニアの調達には難しさがあり、今後の実現可能性には疑問が残ると指摘しています。
■CCS技術の課題
CCS技術(CO₂回収・貯留技術)についても、普及が進まないという課題が指摘されています。山下議員は、この技術に依存したシナリオが、脱炭素化の道筋として適切でない可能性があるとし、再生可能エネルギーの本格的な普及に注力すべきだと強調しました。
■政府の対応と今後の課題
政府側の対応として、資源エネルギー庁の木原晋一政策総括調整官は、Water(水素)やアンモニアを燃料として使う技術は発展途上であり、今後の技術開発に期待をかけていると述べました。しかし、山下議員は、これらの技術に依存することなく、再エネの普及を本格的に進めるべきだと訴えました。