2026-03-26 コメント投稿する ▼
リニア静岡工区28項目対話完了 鈴木康友知事が2026年内に着工容認判断へ
リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事をめぐる静岡県の専門部会が2026年3月26日に開かれ、静岡工区の着工に向けてJR東海と県が進めてきた28項目すべての対話が完了しました。川勝平太前知事が2017年に水問題を理由に着工反対を表明してから、実に9年越しの大きな節目です。鈴木康友知事は対話完了を着工容認の前提条件としてきており、年内にも政治的な判断を下す見通しです。着工が実現すれば、最短で2036年の品川―名古屋間の開業が視野に入ります。
9年越しの28項目対話完了まで
リニア中央新幹線は、東京・品川から大阪を結ぶ超高速鉄道で、JR東海が2014年に着工しました。最高時速は約500キロメートルと東海道新幹線の2倍近く、品川―名古屋間の所要時間は現在の約1時間30分から40分に短縮される計画です。
唯一の未着工区間が静岡工区(全長約8・9キロ)です。南アルプスの地下を貫くトンネル工事が県中部を流れる大井川の流量を減らす恐れがあるとして、川勝前知事が「大井川の水は一滴たりとも県外に渡さない」と強硬に反対してきた経緯があります。
鈴木知事は2024年5月の就任後、「スピード感」を掲げてJR東海との対話を加速させました。28項目は水資源・生物多様性・トンネル発生土の3分野に分かれており、県の専門部会での確認を経て順次完了してきました。
2026年1月24日にはJR東海の丹羽俊介社長が静岡県庁を訪れ、工事に伴い大井川流域の水利用に影響が出た場合の補償に関する確認書を締結しました。補償の請求期限や対象期間に制限を設けないとする内容で、長年の最大の懸案だった水問題がようやく決着しました。
2026年2月4日の地質構造・水資源専門部会では、トンネル掘削で出るヒ素やフッ素などの自然由来の重金属を含む「要対策土」の処分について、JR東海の新提案が了承されました。これで「水」と「土」という川勝前知事が残した2つの大きな課題が解決し、残るは生物多様性の分野のみという状況になっていました。
環境保全の最終課題も決着、年内着工へ現実味
今回の専門部会で完了した生物多様性分野は、南アルプスの沢の水生生物への影響、重要種の確定、季節ごとの生息状況の把握など複数の調査と蓄積が必要な項目が含まれており、専門家の間では最後まで時間がかかるとみられていた分野です。
これら28項目の対話がすべて完了したことで、鈴木知事が着工容認の「政治的決断」を下す条件が整いました。
鈴木知事は2025年12月の記者会見で「断言できないが2026年の容認・着工は可能かもしれない」と述べており、2026年内に判断を下す方向で調整が進んでいます。
ただし、鈴木知事は着工容認の前に、大井川流域8市2町の首長や利水団体など関係者の理解を得ることも重要視しています。2026年3月7日から4月26日にかけてJR東海が流域住民向け説明会を計20回開いており、地元との合意形成を急いでいます。
「9年もかかったのか。その間に日本の競争力がどれだけ落ちたか考えると腹が立つ」
「大井川の水の問題、ちゃんと補償することになったなら、早く着工してほしい」
「鈴木知事の決断を応援したい。前の知事とは大違い、スピード感があってよかった」
「住民説明会をしっかりやって流域の人たちが納得してから進めてほしい。急ぎすぎないで」
「2036年開業でもまだ10年先か。もっと早くから対話できていたら今頃開業してたのに」
開業時期の見通しとコスト問題も課題に
リニア静岡工区のトンネル工事完成までにはJR東海が少なくとも10年の工期を見込んでいます。2026年内に着工できたとしても、品川―名古屋間の開業は最短で2036年以降となります。当初計画の2027年開業からは10年近い遅れとなります。
さらに近年の物価高騰により工事費の増加も懸念されています。当初予算から大幅な上振れが生じる可能性があり、JR東海のコスト管理も今後の重要な焦点となります。
鈴木知事が年内に着工を容認すれば、大阪延伸も含めてリニアが本格軌道に乗ることになります。日本の大動脈に新たな選択肢が加わるとあって、経済界や沿線自治体の期待は高まっています。
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まとめ
- 2026年3月26日の専門部会で、静岡県とJR東海の28項目すべての対話が完了
- 川勝前知事が着工反対を表明した2017年から9年越しの大きな節目
- 28項目は水資源・生物多様性・トンネル発生土の3分野で構成
- 2026年1月24日に水利用影響への補償確認書を締結(無期限・無制限)
- 2026年2月に要対策土処分問題も解決し、残る生物多様性分野も今回完了
- 鈴木知事は年内に着工容認の「政治的決断」を下す見通し
- 着工から開業まで最短10年、品川―名古屋間の開業は最短2036年以降
- 物価高騰によるコスト増も課題として残る