2025-10-10 コメント投稿する ▼
自公連立が崩壊へ?牧原秀樹が指摘する政権危機と政治混迷
公明党側の有力者が参議院選で落選したことを挙げ、「自民党側の甘えや驕りも公明党側は相当に感じていた」と指摘している。 彼はまた、「ここからは戦後経験のない混乱期に入る」「予算成立は大幅に遅れる可能性」など、今後の政治停滞・混乱を見越す指摘もしている。 こうした流れの中、牧原氏の指摘する「甘え・驕り」は、公明党側が連立関係において不満を抱えていたという声を代弁しているように思われる。
自公連立の終焉か
牧原秀樹氏(元法務大臣)は自身のSNSで「自公連立という26年間、野党時代にも崩れなかった関係が遂に解消されることになりました」と投稿した。これは単なる感想ではなく、与党内部における連立関係の亀裂が表面化しつつあるという判断の表明と読める。
公明党側の有力者が参議院選で落選したことを挙げ、「自民党側の甘えや驕りも公明党側は相当に感じていた」と指摘している。連立関係の脆弱性、さらには政治主導者間の信頼崩壊への懸念を、非常にストレートに語っている。
彼はまた、「ここからは戦後経験のない混乱期に入る」「予算成立は大幅に遅れる可能性」など、今後の政治停滞・混乱を見越す指摘もしている。英国トラス首相が招いた経済・金融混乱を引き合いに出すあたり、自公連立解消による政策空白や不安定化への警戒も強く感じられる。
この投稿を契機に、自公関係の現状と今後のリスクを整理しておきたい。
自公連立が揺らぐ背景
自民党と公明党の連立政権(自公連立)は、1999年から断続的に存続し、2012年以降は安定政権として長期化してきた。
これは自民党が主導権を持ちながらも、公明党が安定票を提供し、議席確保における「補完勢力」として機能してきた枠組みである。
だが、近年複数の要因がその均衡を崩しつつある。
第一に、公明党側の選挙成績低迷である。石井啓一代表(当時)が衆議院選で落選した報道もあり、連立内での存在感低下が鮮明になった。
第二に、自民党の政治資金問題や派閥抗争、政策主導力低下が公明側の不満を促した。
第三に、有権者の不信・批判が強まっており、与党二党が「結びつく合理性」が次第に問われるようになっている。
こうした流れの中、牧原氏の指摘する「甘え・驕り」は、公明党側が連立関係において不満を抱えていたという声を代弁しているように思われる。
連立解消が意味するもの
もし自公連立が実質的に解消されるなら、それは政権運営と政治構図の激変を意味する。
まず、国会運営は極めて困難になる。参議院・衆議院で与党の単独過半数がない状況では、予算案・法案の成立が従来より時間を要する。牧原氏も「予算成立の遅れ」を懸念している。
与野党交渉が断続し、政策実行力が削がれるリスクは現実的だ。
次に、政策の方向性が揺らぎやすくなる。連立解消は、党間の政策折り合いがつかず、重要政策の調整が停滞する可能性を孕むからだ。
防衛、社会保障、税制、外交といった政策分野で、一貫性を維持するのが難しくなる。
さらに、政界再編や中長期の勢力再構築が加速する可能性がある。自公分岐、それを契機とする野党の巻き返し、あるいは合従連衡の再発動などが予想される。
牧原氏が警鐘を鳴らすように、ポピュリズム的な「甘い言葉」に振り回される時代になるかもしれない。彼が言及したように、英国トラス政権が短期間で混乱を招いた事例は、政治リスクの先行指標として警戒すべきだ。
私の視点と結論
私は、自公連立解消は政治の後退を招く危険な選択肢だと考える。
連立という枠組みが腐っているなら修復を図るべきで、いきなり解消に踏み切るのは無責任だ。政権の安定性と国民政策実行能力を放棄することになる。
ただし、公明党の不満を無視するのはそれもまた政治的愚行である。連立関係を続けたいなら、自民党は自己批判と改革が必須だ。
特に政治と金の問題、透明性、派閥支配構造、党内統制力などを根本から是正しない限り、連立は保てない。
牧原氏の投稿は、与党内部の亀裂人間関係と制度的限界を鋭く突いている。政権・与党は真剣にこの警告を受け止めるべきだ。今は政治を再構築すべき分岐点に直面している可能性が高い。