2025-09-08 コメント投稿する ▼
総務省、携帯契約の本人確認を厳格化へ 詐欺多発で省令改正を検討
総務省は8日、携帯電話契約時の本人確認をさらに厳格化する方針を明らかにした。 しかし総務省は今後、これを禁止し、初回契約と同様にマイナンバーカードやパスポートといった公的身分証による厳格な本人確認を義務化する方向で調整している。 利用者にとっても利便性が低下する可能性があり、特に短期間で複数回線を契約するケースでは煩雑さが増すと懸念される。
総務省が携帯契約の本人確認厳格化へ
総務省は8日、携帯電話契約時の本人確認をさらに厳格化する方針を明らかにした。特殊詐欺や不正利用が多発していることを受け、携帯電話不正利用防止法の関連省令を改正する見通しだ。特に、偽造された運転免許証や不正に入手したIDとパスワードを悪用し、契約者になりすまして複数回線を取得する手口が急増している。これにより、犯罪グループが匿名性を確保しやすい環境が整ってしまっていた。
従来、2回線目以降の契約については、本人が設定したIDとパスワードのみで手続きが可能だった。しかし総務省は今後、これを禁止し、初回契約と同様にマイナンバーカードやパスポートといった公的身分証による厳格な本人確認を義務化する方向で調整している。
「IDとパスだけで何回線も作れるのは危険すぎる」
「厳格化は当然だが、手続きが煩雑になりすぎないか心配」
「マイナンバーカードを活用する流れは避けられないのか」
「被害者を減らすには必要だと思う」
「便利さと安全性のバランスをどう取るのかが課題」
背景にある特殊詐欺の深刻化
携帯電話は今や社会生活に不可欠なインフラである一方、特殊詐欺や闇バイトといった犯罪に利用される例が後を絶たない。特に「受け子」や「かけ子」と呼ばれる役割の人間が使い捨ての回線を確保し、被害者への接触に利用するケースが多い。警察庁の統計によると、携帯電話を悪用した特殊詐欺の被害額は年々高止まりしており、こうした背景が今回の省令改正の動機となった。
現状の制度では、通信事業者が本人確認を形式的に済ませてしまうこともあり、偽造身分証の検知が不十分との指摘がある。加えて、本人認証をオンライン手続きに依存するケースも増えており、不正アクセスによる成り済ましの温床となっている。
事業者と利用者への影響
今回の方針転換により、通信事業者には新たなコスト負担が発生する可能性が高い。システム改修や本人確認体制の強化に加え、店舗やオンライン窓口での手続き時間も増えることが想定される。利用者にとっても利便性が低下する可能性があり、特に短期間で複数回線を契約するケースでは煩雑さが増すと懸念される。
ただし、厳格化による信頼性向上は長期的には利用者の安心感につながるとの見方もある。国際的に見ても、欧州ではすでにSIMカード購入時にパスポート提示を義務化している国が多く、日本の制度は相対的に緩いとされてきた。今回の措置は国際基準に近づく動きともいえる。
今後の課題と展望
総務省は年内にも省令改正に着手する方針だが、制度導入には事業者や利用者からの反発も予想される。特にマイナンバーカードの利用拡大については国民の間で賛否が分かれており、情報管理やセキュリティの信頼性が問われる。利便性を損なわずに犯罪防止を強化するバランスが求められるだろう。
さらに、本人確認の厳格化だけで犯罪利用を完全に防げるわけではない。携帯電話のレンタル業者や転売ルートを経由する手口も存在し、包括的な対策が必要である。政府と通信業界、警察当局が連携し、制度面と運用面の両輪で防止策を進めることが不可欠となる。
携帯電話契約厳格化で進む犯罪対策と利用者負担の行方
総務省が進める携帯契約時の本人確認厳格化は、特殊詐欺対策として一定の効果が期待されるが、利便性の低下やコスト増といった副作用も伴う。利用者保護と安全確保の両立をいかに図るかが今後の焦点となる。制度改正が実効性を持つためには、事業者の協力とともに、利用者への周知徹底も欠かせない。