2025-09-01 コメント投稿する ▼
総務省、普通交付税4兆4803億円を配分 東京都除く自治体に 過去5年は増加傾向
総務省、普通交付税4兆4803億円を配分
総務省は1日、自治体の財源不足を補う普通交付税について、2025年度9月分として4兆4803億円を3日付で配分すると発表した。対象は税収が豊富な東京都を除く全自治体で、内訳は46道府県に2兆3197億円、市町村に2兆1606億円となっている。普通交付税は自治体間の財源格差を調整する役割を担い、原則として4月・6月・9月・11月の年4回に分けて交付される。
今回の配分では、大雨被害を受けた秋田県仙北市に対して、11月分として予定されていた6億1100万円を前倒しで配分する措置も決定された。災害対応に必要な財源を早期に確保し、復旧作業に支障が出ないよう配慮したかたちだ。
地方特例交付金も同時に配分
総務省はまた、住宅ローン減税などによる減収を補う地方特例交付金を同日付で配分する。対象は全国の自治体で、都道府県分が332億円、市区町村分が605億円となる。これにより、税制優遇による減収が自治体財政に与える影響を緩和することを狙う。
「地方は交付税なしでは行政が立ち行かない」
「災害対応で前倒し配分はありがたい」
「東京都を除外する仕組みは理解できる」
「結局は国からの配分に頼らざるを得ない構造が問題」
「減税を国が決めたなら地方への補填は当然だ」
過去5年分の普通交付税の配分推移
普通交付税は、景気動向や国税収入の増減に応じて毎年大きく変動してきた。直近5年間の年間配分額(概算)は以下の通りである。
* 2021年度:約15兆8000億円
* 2022年度:約16兆6000億円
* 2023年度:約16兆9000億円
* 2024年度:約17兆3000億円
* 2025年度:約17兆7000億円(見込み)
近年はコロナ禍による景気対策や地方税収の減収補填もあり、交付額は増加傾向にある。特に社会保障や防災関連経費が膨らむ中、地方財政の安定を確保するための国の財政移転は不可欠となっている。
地方交付税と自治体運営の持続性
交付税制度は、災害対応や減収補填といった即応的な要素を含むものの、地方財政の脆弱さを改めて浮き彫りにした。交付税依存度が高い地域では、人口減少や産業空洞化に伴い、財源不足が慢性化している。
石破茂首相が掲げる「地方創生」の実効性を高めるには、交付税や特例交付金といった財政移転に依存するだけでなく、地域が持続的に税収を確保できる仕組みづくりが不可欠だ。今回の配分は、その課題を改めて国民に突きつけている。