2025-04-28 コメント投稿する ▼
小野寺政調会長「関税見直しが安全保障にも不可欠」米国に早期対応を要請 日米関係強化訴え
関税措置が経済・安全保障に波及
訪米中の自民党政務調査会長・小野寺五典氏は4月28日(現地時間)、ワシントンの有力シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」で講演を行い、トランプ政権下で導入された関税措置が経済のみならず、安全保障面にも深刻な影響を及ぼしていると警鐘を鳴らした。小野寺氏は「ASEAN諸国など、元々アメリカの友好国だった地域が、関税によってアメリカとの距離を感じるようになっている」と述べ、早期の見直しを求めた。
特に、北朝鮮とロシアの連携強化、中国軍による台湾周辺での軍事演習など、東アジア地域の緊張が高まる中で、世界的な議論が関税問題に集中している現状を問題視。「経済摩擦の解消は、安全保障の安定にも直結する」と訴えた。
東アジア情勢の悪化と関税政策
小野寺氏は講演で、北朝鮮とロシアの接近、中国軍の行動活発化を指摘し、「東アジアでは安全保障リスクがかつてないほど高まっている」と強調した。このため、アメリカが貿易摩擦にエネルギーを割くのではなく、同盟国との信頼回復と安全保障体制の強化に注力するべきだと訴えた。
さらに、「関税政策によって友好国との経済的な軋轢が広がれば、それは結果として安全保障上の連携にもひびが入る」と述べ、経済と安全保障を切り離して考えるべきではないと指摘した。
小泉進次郎氏、日米関係強化の重要性を訴え
同じくCSISの会合に参加した自民党の小泉進次郎氏も講演し、日本が5年連続でアメリカへの最大投資国となっている事実を強調。「この関税交渉の機会を通じて、日米同盟がいかに強固であるかを再確認し、さらに深化させるべきだ」と述べた。
小泉氏は、現在の経済交渉を単なる摩擦解消にとどめず、将来を見据えた日米関係の再構築の好機と捉えるべきだと提案。「互いに信頼し合い、支え合うパートナーシップを、経済と安全保障の両面で強化することが急務だ」と語った。
今後の焦点は米国の対応
小野寺氏と小泉氏の発言は、バイデン政権が今後関税政策の見直しに動くか否かに注目が集まる中で行われた。トランプ政権下で発動された関税措置は、依然として多くの国に影響を与えており、特にインド太平洋地域におけるアメリカのリーダーシップに疑問符を投げかける要因ともなっている。
今後、米国側が関税問題にどう対処するかは、東アジアの安全保障環境、さらには日米同盟の将来像にも大きな影響を与えることになりそうだ。日本側としては、引き続き外交・安全保障・経済の三位一体での対米交渉が求められる局面が続く。
- 小野寺政調会長、トランプ政権の関税措置に早期見直しを要請。
- 経済摩擦がASEAN諸国との距離を拡大、安全保障リスクを指摘。
- 北朝鮮・ロシアの接近、中国軍の動きに警戒感を表明。
- 小泉進次郎氏、日米同盟強化の好機と位置付ける。
- 今後の米国の関税政策対応が東アジア情勢に影響を与える可能性。