2025-11-13 コメント投稿する ▼
自民税調が来年度改正議論開始 年収の壁・ガソリン減税で2.4兆円財源不足
自民党税制調査会の小野寺五典会長(宮城6区選出)氏が来年度税制改正の議論を開始し、年収の壁引き上げとガソリン暫定税率廃止に伴う2.4兆円規模の財源確保が最大の焦点となっています。 しかし、参議院選挙で示された民意は減税であり、増税による財源確保は国民への背信行為です。 政府は既存事業の徹底的な見直しとKPI・KGI設定による無駄の削減で財源を捻出すべきです。
減税の民意を無視した増税論議は言語道断
2025年7月の参議院選挙では、ガソリン暫定税率廃止、消費税減税、手取り増加が国民の明確な意思として示されました。国民民主党の玉木雄一郎代表(香川2区選出)氏は「178万円に近づけるよう努力してほしい」と強く要請し、高市早苗総理大臣も「お互いに関所を乗り越えていかないといけない」と前向きな姿勢を示しています。
経済対策の原案では、現在の160万円から「さらに引き上げる税制措置について来年度の税制改正で検討し、結論を得る」とされており、年収の壁問題は待ったなしの状況です。しかし、小野寺氏は「約8兆円の税源がなくなる。地方の財源5兆円以上が影響を受ける」として、代替財源の必要性を強調しています。
ガソリン暫定税率廃止により年間1.5兆円の税収が失われ、さらに高校教育無償化拡充と小学校給食無償化で9000億円程度の追加財源が必要となります。合計2.4兆円の財源不足に対し、政府は安易な増税に頼るのではなく、抜本的な行政改革で対応すべきです。
「減税って言って当選したのに、増税で財源確保とか詐欺でしょ」
「国民が望んでるのは減税なのに、なんで増税の話になるのか理解できない」
「こども家庭庁の7兆円とか、本当に必要な事業なのか見直すべき」
「補助金や助成金の無駄遣いをやめれば、いくらでも財源は作れるはず」
「KPIも設定せずに予算垂れ流してるから、財源が足りなくなる」
こども家庭庁予算7.3兆円の実態と問題点
最も見直しが必要なのは、こども家庭庁の巨額予算です。2025年度予算は7.3兆円に達し、前年度から1.1兆円も増額されました。内訳は保育所運営費2.5兆円、児童手当2.1兆円、育児休業給付1兆円などとなっています。
しかし、この予算規模が本当に適切なのか疑問です。こども家庭庁は2023年4月に発足したばかりの新しい組織でありながら、明確なKPI・KGI設定が不十分です。「こどもの幸福度向上」といった抽象的な目標では、政策効果の測定は不可能です。
EBPM(Evidence-Based Policy Making:根拠に基づく政策立案)の観点から見ても、こども家庭庁の事業には問題があります。政策目的の明確化、効果測定指標の設定、データ収集方法の確立が不十分なまま、巨額の予算が計上されています。
東京新聞の調査によると、SNS上では「こども家庭庁を廃止すれば年間7兆円の財源が浮く」という批判が相次いでいます。全面廃止は現実的ではありませんが、事業の優先順位付けと効果検証による大幅な見直しは可能です。
補助金・助成金制度の抜本的見直しが急務
政府全体で年間数十兆円規模に上る補助金・助成金制度にも大きな問題があります。多くの事業で明確な成果指標が設定されておらず、「ばらまき」状態となっています。経済産業省や厚生労働省が所管する中小企業支援策だけでも、類似した制度が乱立している状況です。
行政改革推進会議では、EBPM推進の重要性が強調されています。政策効果の把握・検証(Monitoring)と政策見直し(Managing)を含めた「EBPM×3」の実践が求められていますが、実際の予算編成では十分に反映されていません。
三菱総合研究所の分析では、「社会保障」「少子化・こども」「文教」「科学技術」「社会資本整備」「地方行財政」の6分野で、政策効果の把握と検証が特に重要とされています。しかし、現実にはロジックモデルの構築とKPI設定が形式的になっており、実質的な政策改善につながっていません。
KPI・KGI設定による事業の成果管理強化
財源確保のためには、すべての政府事業にKPI(重要業績評価指標)とKGI(重要目標達成指標)を設定し、定期的な成果検証を義務付けるべきです。効果の薄い事業は即座に廃止または大幅縮小し、浮いた財源を減税に回すことが国民の期待に応える道です。
具体的には、以下の取り組みが必要です。第一に、全省庁の事業について3年以内に明確なKPI・KGI設定を完了することです。第二に、年1回の効果検証を実施し、目標未達成事業の予算を段階的に削減することです。第三に、類似事業の統廃合を進め、重複による無駄を排除することです。
政府の行政事業レビューでは、各府省庁が自己点検を行っていますが、第三者による客観的評価が不足しています。独立行政法人経済産業研究所(RIETI)にEBPMセンターが設置されましたが、全政府事業をカバーするには体制が不十分です。
イギリスやアメリカでは、政府エコノミストによる横断的な事業評価体制が確立されています。日本でも同様の仕組みを導入し、科学的根拠に基づく事業選別を徹底すべきです。効果の証明できない事業に貴重な税収を投入し続けることは、納税者への背信行為に他なりません。
小野寺税調会長は「投資を促進し、賃上げを進めることが大切」と述べていますが、そのためには減税こそが最も確実な手段です。政府が民間から税金を奪って非効率な事業に投入するより、国民の手元にお金を残すことで消費と投資を活性化することが経済成長につながります。
年内の税制改正大綱取りまとめに向け、政府は増税ありきの発想を捨て、徹底した行政改革による財源確保に取り組むべきです。それこそが参議院選挙で示された減税への民意に応える唯一の道です。