2025-07-11 コメント投稿する ▼
日本産牛肉の対中輸出再開へ動物検疫協定がついに発効へ 森山氏と中国副首相が会談
日中牛肉交渉、ようやく本格化 19年署名の協定がついに動く
日中両政府が、日本産牛肉の中国向け輸出再開に向けて、ようやく本格的な交渉に入る見通しとなった。交渉の前提となる「動物衛生検疫協定」はすでに2019年に署名されていたが、中国側の発効手続きが滞っており、5年にわたり“棚ざらし”状態が続いていた。
日本政府関係者によると、協定の発効に向けて中国側が前向きな姿勢を見せており、食品衛生や検疫体制に関する詳細協議が近日中に始まる見通し。これにより、2001年のBSE(牛海綿状脳症)発生を理由に停止されていた日本産牛肉の輸入が、ようやく解禁へと動き出す可能性が高まった。
森山幹事長が中国副首相と会談 「習主席の側近」に直接要請
今回の前進の背景には、自民党幹事長・森山裕氏と中国の何立峰(か・りっぽう)副首相による11日の会談がある。大阪市内で行われたこの会談で、森山氏は日本産牛肉の輸出再開を正式に要請したとされる。
何副首相は習近平国家主席の側近とされ、中国の経済政策の中枢を担う人物。今回の訪日は大阪・関西万博における中国のナショナルデー行事への出席に伴うもので、森山氏は日中友好議員連盟の会長として接触の機会を得た。
このように、政党人脈と万博という場を利用した外交交渉は、近年まれに見る実務的な成果に繋がる可能性を秘めている。
なぜ今“牛肉”なのか 裏にある中国側の思惑と日本の戦略
今回の交渉再開の背景には、中国国内の食肉需要の変化もあると見られている。
中国は現在、食の安全性や品質に対する国民の関心が高まっており、「安全・高品質」な輸入牛肉への需要が増加している。日本産牛肉はその品質の高さで知られており、中間層の購買意欲と結びつけば、大きな輸出市場となりうる。
一方で日本にとっても、農林水産物の輸出強化は国家戦略の一つ。コロナ禍や円安によって海外市場への販路拡大は一層重要性を増しており、今回の中国市場への“再参入”は輸出ドライブの起爆剤となり得る。
「やっとか…。いつまでBSE引っ張るんだと思ってた」
「中国の食肉需要って爆発的だから、日本の農業に追い風かも」
「森山さん仕事してるな。こういう地道な外交こそ評価すべき」
「中国向け輸出増えるのはいいけど、国内価格には影響しないでね」
「外交カードとして使われないよう注意も必要だと思う」
協定発効だけで安心は禁物 “政治カード化”のリスクも
日本にとって輸出再開は歓迎すべき前進ではあるが、中国側が過去にも繰り返してきた「輸出入の政治的カード化」には引き続き警戒が必要だ。
たとえば、過去にはレアアースや水産物の輸出入を外交的圧力の手段として使った事例もあり、日本産牛肉の輸出が再開されても、それが“人質”のように扱われるリスクは残る。
また、中国側が「検疫」や「衛生基準」といったあいまいな基準で恣意的にストップをかける可能性も否定できない。そうしたリスクを踏まえ、日本政府としては関係省庁の連携を強化し、輸出側の衛生証明やトレーサビリティ確保など、万全の対応をとることが求められる。
今後の動き次第では、他国向けの牛肉輸出交渉にも波及し、日本の畜産業にとって大きな分岐点となる可能性がある。