2025-06-02 コメント: 1件 ▼
中国のEEZ侵害が続く中でのパンダ貸与要請に疑問の声 “お茶を濁すな”とネットで批判噴出
パンダ外交の裏にある現実:中国の挑発行動に揺れる日本世論
自民党の森山裕幹事長が4月に中国を訪問し、現地の共産党高官にジャイアントパンダの貸与を依頼したことがわかった。森山氏によると、中国側からは「前向きな感触を得た」というが、これに対する国内の反応は決して一様ではない。日本近海で続く中国の強硬姿勢と相まって、「今、そんなことを頼む時か」という声が広がっている。
和歌山や上野のパンダ返還で“空白”が生まれる
現在、和歌山県のアドベンチャーワールドで飼育されている4頭のパンダは6月末に中国へ返される予定であり、東京・上野動物園の2頭も貸与期限が来年2月に迫っている。このため、国内の主要施設からパンダが姿を消す事態が懸念されている。
しかし、パンダは単なる人気者ではない。観光資源としての経済効果は絶大で、関西大学の試算では上野動物園のシャンシャンが生まれてから返還されるまでに600億円以上の経済波及があったとされる。その一方で、中国に支払う貸与料は年間約1億円とされており、“外交の道具”としての側面が濃いのも事実だ。
中国の「パンダ戦略」の裏で進む海洋進出
パンダ外交の話題の裏で、現実には日本の安全保障に直結する懸念が積み重なっている。2022年には中国の弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾し、2024年には中国がEEZ内に無断で浮標を設置した。これに対して日本政府は抗議を行っているが、中国側は「合理的で合法的」と反論し、撤去には応じていない。
また最近では、中国の情報収集艦が日本近海をうろつき、航空機が領空に接近する事例も後を絶たない。こうした挑発的な動きが続く中で、象徴的なパンダ貸与の話題が浮上したことに違和感を覚える国民は少なくない。
ネット上では「パンダでお茶を濁すな」と怒りの声
SNSでは、このニュースに対して懐疑的な意見が多く寄せられている。特にX(旧Twitter)では、次のような投稿が見られる。
「別にパンダなんていらない。中国の挑発行為を見れば、そんなこと言ってる場合じゃない」
「パンダより困っている日本人にお金使って」
「中国の行動を見ていると、パンダでごまかされるわけにはいかない」
「パンダはかわいいけど、今はそれどころじゃない」
「日本の主権を守ることが最優先。パンダ外交に頼るべきではない」
こうした投稿からもわかるように、多くの国民が中国の軍事的挑発や主権侵害を見逃すことはできず、パンダによる“イメージ戦略”に疑問を抱いている。
外交には冷静な視点と毅然とした対応を
パンダの話題は一見すると柔らかく親しみやすいが、その背景には中国の巧妙な外交戦略がある。日本が取るべきは、表面的な友好ムードに流されることなく、主権を守る姿勢を堅持することだ。パンダの愛らしさに目を奪われるあまり、安全保障上の脅威に対する対応が後手に回ってはならない。
今、政治に求められているのは「パンダでお茶を濁すな」という国民の声にしっかりと耳を傾け、現実を見据えた外交判断を下すことではないだろうか。