2025-04-11 コメント: 1件 ▼
「消費税減税」に慎重な自民、補助金で物価高対応 与野党に広がる温度差
自民党の森山裕幹事長は11日、記者団の取材に応じ、「消費税を下げるだけでは、かえって国民に迷惑をかけることになりかねない」との見解を示した。
「どこから財源を持ってくるのか。あるいは社会保障のどの部分を国民に我慢してもらうのか、そこを考えずに“下げよう”と言っても、それは無責任だ」
と強調。消費税収が医療・介護・年金といった社会保障の財源に充てられていることを踏まえ、軽々に減税はできないとの立場を取った。
与党内でも温度差
一方、連立を組む公明党は、消費税減税に前向きだ。斉藤鉄夫代表は同日、「あらゆる選択肢を排除せず、たとえば食料品など生活必需品に限った減税も検討対象」と述べた。実施の時期については「来年度からが現実的」とした上で、それまでの間に必要があれば「早急に給付措置を取るべき」と訴えた。
その際の財源として「赤字国債の発行も一案」と踏み込んだ提案もしている。自民党とのスタンスの違いが浮き彫りになった格好だ。
自民はガソリン補助で対応
減税には慎重な自民党だが、目の前の物価対策として、ガソリン価格の引き下げに向けた補助金制度を前倒しで実施する方向だ。現在は6月開始を予定していたが、5月中旬にもスタートさせる案が浮上しており、1リットルあたり10円の補助を検討しているという。
森山幹事長も「一日でも早く実施できるよう調整中」と述べ、足元のガソリン高に対応する考えを示した。
野党は「減税こそ即効性ある対策」と主張
立憲民主党や国民民主党などの野党側は、物価高で家計が圧迫される中、消費税減税は即効性のある政策だと主張している。立憲・野田佳彦元首相は「消費税率を一時的にでも引き下げれば、幅広い層に恩恵がある」と語るなど、政府に対し速やかな対応を求めている。
問われるのは“財源”と“スピード感”
減税か給付か、あるいは補助金か——いずれにしても問われるのは財源の裏付けと実行のスピードだ。岸田政権としては、参院選を見据えて国民の不満をいかに抑え込むかが試される局面となっている。