2025-10-30 コメント: 2件 ▼
森山裕氏が税調インナーを辞退、高市早苗首相の積極財政路線と路線対立
宮沢氏は財政規律を重視することで知られており、高市首相が掲げる「責任ある積極財政」との間には政策的な距離があるとみられていました。 このため、宮沢氏の交代は高市首相の経済政策転換の象徴的な人事として受け止められています。 小野寺氏も財政規律派として評価されており、消費減税に否定的な考えを示すなど、高市首相の政策方針とは一定の距離があるとされています。
高市首相の積極財政路線との方針対立
自民党の森山裕前幹事長が、党税制調査会の非公式幹部会である「インナー」への就任を辞退していたことが30日に分かりました。複数の党関係者の話によると、森山氏は当初、税制に精通した調整役として新体制でも起用がほぼ内定していましたが、30日の初会合には参加しなかったといいます。この決定の背景には、高市早苗首相が進める積極財政路線と、森山氏が重視する財政規律との間の路線の違いが大きく影響したと見られています。森山氏は複数の関係者に「世代交代を進めるべきだ」との考えを伝えていたとされますが、党内からは高市首相の政策方針との相いれない部分が続投を難しくしたとの指摘も聞かれます。
森山氏は国対委員長や総務会長などの党要職を歴任し、2021年から税調インナーに参加してきました。与野党の交渉や党内の意見集約で強みを発揮し、前体制では顧問を務めていました。石破茂前首相の体制下では、消費減税の導入の是非をめぐって慎重姿勢を一貫して示していました。これは高市首相が掲げる経済成長に力点を置く積極財政路線とは異なる立場であり、この方針の違いもインナー続投の判断に影響を与えたと関係者は指摘しています。
「税調がどう変わるかで、来年度の税制改正の方向性が大きく変わりそう。森山氏の退任は、首相の強い意志の表れかもしれません」
「高市さんの積極財政と財務省の規律派の綱引きが、実は税調インナーでも起きているんですね」
「森山さんが退任するということは、高市総理の政策が党内でかなり進んでいるということだと思う」
「インナーの人事が首相交代で大きく変わるのは自然なことだけど、具体的な政策の中身がどうなるのかが大事」
「税制改正は国民の暮らしに直結するから、党内の様々な意見を聞いてほしい」
税調体制の抜本的な人事刷新と高市カラーの浸透
税調の人事は大きく刷新されています。税調会長は、約8年間務めた旧大蔵省出身の宮沢洋一元経済産業相から、小野寺五典前政調会長に交代しました。宮沢氏は財政規律を重視することで知られており、高市首相が掲げる「責任ある積極財政」との間には政策的な距離があるとみられていました。このため、宮沢氏の交代は高市首相の経済政策転換の象徴的な人事として受け止められています。
小野寺氏も財政規律派として評価されており、消費減税に否定的な考えを示すなど、高市首相の政策方針とは一定の距離があるとされています。しかし高市首相の側近である麻生太郎副総裁と鈴木俊一幹事長は財務相経験者で、財政規律を重視する立場にあります。これらのバランス配慮により、新体制では積極財政派と財政規律派の調和がとられたという側面もあります。
一方で、10月24日のインナー会合では、西村康稔元経済産業相や山際大志郎元経済財政・再生相、小渕優子元経産相、後藤茂之元経財相らが加わっており、成長重視の「高市カラー」が随所に表れているのも事実です。特に西村氏と山際氏は積極財政派として知られており、高市首相の経済政策を推し進める人事構成となっていることは明らかです。
2026年度税制改正に向けた複雑な課題
高市内閣は、2026年度の税制改正に向けた議論を本格化させます。ガソリン税の旧暫定税率廃止やいわゆる「年収の壁」の引き上げなど、国民生活に直結する重要な争点が控えています。高市首相は記者会見で「公党間の合意をしっかり守っていくのを基本に活躍してほしい」と小野寺税調会長に述べ、野党との調整を重視する姿勢を示しました。
しかし、少数与党という政治状況が交渉を複雑にしています。高市内閣は自民党と日本維新の会による連立体制ですが、衆参両院で野党側に過半数を握られており、来年度予算や税制改正の実現には野党との協力が不可欠になります。このような状況下での森山氏の退任は、高市首相が税制改正において強い指導力を発揮する意思表示として受け止められています。
高市首相は所信表明演説で「強い経済」という言葉を6度繰り返し、戦略的な財政出動を強調しました。物価高対策と経済再生を同時に進める必要があるなか、来年度の税制改正は政権の経済政策の真価を問う場となります。森山氏の退任によって、自民党税調がどのような方向性を示すのか、そしてそれが国民生活にどのような影響をもたらすのかが、今後の大きな注視点となっているのです。
 
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
			       
                     
                     
                    