2025-07-30 コメント投稿する ▼
新潟県、2年ぶりに農作物の渇水対策支援を再開 天水田・ニシキゴイ養殖も対象
高温少雨で農業に影響 新潟県が支援策発表
新潟県は30日、6月下旬以降の高温と少雨の影響で農作物に深刻な影響が懸念されていることから、県内の市町村や土地改良区が実施する渇水対策に対して、補助金の一部を支援する方針を発表した。県による同様の支援は、令和5年の猛暑以来2年ぶり。
花角英世知事は定例会見で「天水田や中山間地では、雨水に頼る水田が多く、渇水によって極めて厳しい状況になっている」と述べ、農業現場の危機感を強調した。
県農産園芸課によると、新潟、長岡、上越、柏崎、糸魚川、新発田、佐渡の7地域で、水稲などの作物に渇水による被害が報告されているという。
水田・ニシキゴイ養殖にも被害 5つの支援事業を実施
新潟県は、農地や養殖施設の被害に対し、以下の5つの支援事業を展開する。
かん水用機械整備対策事業
水田やニシキゴイの養殖池に水を張るためのポンプやホースなどの整備費用に対して、市町村などが支援する場合、県がその費用の2分の1を補助する。
水利施設管理強化事業
井戸の設置や水路の整備といった水利施設の機能向上を図る取り組みに対し、費用支援を行う。
干魃災害復旧対策事業
ひび割れた農地の復旧や、乾燥によって生じた地盤の損傷などを補修する工事への支援を行う。
養殖池施設復旧対策事業
県の特産であるニシキゴイの養殖池におけるひび割れや漏水への復旧工事を支援。
簡易水源確保支援
一時的に利用できる仮設の水源や貯水設備の整備に必要な経費について、市町村の支援とあわせて県が補助。
新潟県は、令和5年の同様の支援策では約5700万円の補助を実施しており、今回も同水準またはそれ以上の予算措置が見込まれている。
県内広範囲に被害 中山間地の脆弱性が顕在化
今回の渇水で特に被害が深刻とされているのは、自然の降雨に依存する「天水田」や、中山間地の小規模農家だ。こうした地域では水源確保が難しく、ポンプの導入や井戸設置などの対策が遅れていたケースも多い。
また、新潟が世界的なブランドを誇るニシキゴイの養殖業にも打撃が広がっており、養殖池の水位低下や地盤のひび割れによる漏水が相次いで報告されている。これにより出荷遅延や魚体へのストレスが懸念され、ブランド価値にも影響しかねない。
市民・有権者の声、農業支援に期待と課題
農業支援の再開をめぐり、SNSなどでは現場の声や市民の意見が多く寄せられている。
「田んぼがひび割れてるって本当に深刻。農家だけじゃ手が回らない」
「ニシキゴイって地元の誇り。養殖業者さんをしっかり支援して」
「2年ぶりって言うけど、地球温暖化の影響で毎年やるべきでは?」
「水源の整備、根本的に強化してほしい」
「地方の農業守らないと、結局都市部も困るんだよね」
今後、農業インフラの強靱化や、干ばつ・豪雨といった極端気象への柔軟な支援体制の構築が求められている。