2025-07-16 コメント投稿する ▼
酒米価格1.5倍で酒蔵が危機 新潟県酒造組合が初の支援要望、知事は「できるだけの応援」
“米どころ新潟”の酒蔵に、今かつてない危機
日本有数の酒どころ・新潟で、地酒文化を支える酒蔵が原材料価格の高騰によって存亡の危機に直面している。新潟県酒造組合(大平俊治会長)は7月16日、新潟県庁を訪れ、花角英世知事に対し、酒米の高騰による苦境を訴え、初の県による支援要望を行った。
会談後、大平会長は記者団に対し、「今秋には酒米価格が令和6年産の1.5倍になるとの予測も出ている。最大の原材料がこれほど高騰すれば、価格転嫁もできず、業界そのものが持たない」と語気を強めた。
知事は「予算的なことも考慮しながら、できるだけの応援をしたい」と前向きな姿勢を示したとされるが、具体的な支援内容は明言されておらず、県内酒造業界には不安が広がっている。
「日本酒好きには死活問題。なんとかしてほしい」
「新潟の酒文化が途絶えたら日本全体の損失」
「酒米が無いと“日本酒”が作れない。当たり前すぎて怖い」
「地元農家も酒蔵もどっちも苦しい構造だ」
「知事には本当に“できるだけ”のことをやってもらわないと」
酒米は主食用米に流出、供給不足が深刻に
酒米は一般的に栽培が難しく、収量も少ないため、もともと高価格で取引されてきた。しかし、ここにきて主食用米の価格が急騰し、酒米と主食米の価格差がなくなる異常事態が起きている。
その結果、多くの農家が生産性の高い主食用米に転換。これにより、酒米の供給不足とさらなる価格高騰の懸念が高まり、酒蔵側は「原材料を確保できない」という、かつてないリスクに直面している。
このままでは、高品質の地酒を生み出してきた小規模な酒蔵が次々に廃業に追い込まれる可能性もある。地場産業の崩壊は、地域の文化・観光・農業にも波及しかねない。
「農家は酒米より儲かる米を作る。それは当然」
「でも誰かが酒米作らないと、酒文化が消える」
「経済合理性と文化継承のはざま…つらい構造だ」
「自治体がちゃんと価格安定策を打たないと詰む」
「農業と酒造り、両方支えないと成り立たない」
他県はすでに支援開始、新潟県の対応が問われる
長野・石川・福井などでは、6月補正予算で酒米購入費の補助などを盛り込んでおり、既に支援が始まっている。
全国最多の89の酒蔵を抱える新潟県が、その流れに追いついていないことに対し、業界内外から危機感が募っている。
新潟県酒造組合としても、今回のような要望活動を正式に行ったのは初めてであり、それだけ事態が深刻化している証拠でもある。
今後、県としての緊急的な対応がどこまで迅速に、そして実効性を持って実施されるかが焦点となる。特に、農家と酒蔵の双方を支える包括的な支援策が必要であり、単なる助成金では限界があると指摘されている。
“新潟の地酒”を守るために
新潟の地酒は、国内外で高い評価を受けており、観光資源としても、地域アイデンティティとしても欠かせない存在だ。その基盤が「米」であることは言うまでもない。
米どころ新潟が今、酒米の危機に揺れているという事実は、日本酒文化全体の岐路でもある。
自治体が打ち出すべきは、“文化”としての日本酒を守るという明確な姿勢と、それを支える仕組みだ。一次産業から発酵文化まで、地域の生業を守るための本気の対応が求められている。