2025-11-09 コメント投稿する ▼
橋下徹氏が維新内部の怒り暴露 藤田文武代表批判で「放り出せと怒り狂ってる」党内亀裂が深刻化
元大阪市長で弁護士の橋下徹氏が11月9日、TBS系「サンデー・ジャポン」で日本維新の会・藤田文武共同代表への自身の激しい批判について言及し、維新メンバーから「日本から放り出せというぐらい怒り狂ってる」と言われていることを明かした。藤田氏をめぐる公金2000万円問題で維新創設者の橋下氏が続ける痛烈批判が、党内に深刻な対立を生んでいる実態が浮き彫りになった。
公金還流疑惑が発端
今回の騒動は、共産党機関紙「しんぶん赤旗」が10月29日に報じた藤田氏の疑惑から始まった。報道によると、藤田氏側は2017年6月から2024年11月まで、自身の公設第1秘書が代表を務める「株式会社リ・コネクト」に約2100万円を支出していた。この中の約1965万円が政党交付金や調査研究広報滞在費など公金を原資としており、「身内への税金還流」として問題視された。
支出の名目は機関紙のビラ印刷費やデザイン費などだったが、公設第1秘書は取材に対し「リ社には印刷機がない。デザインを担当し、印刷は外注した」と答えており、実質的な中抜き構造が指摘されている。さらに公設第1秘書は2024年にリ社から年720万円の報酬を受け取っていたことも判明した。
橋下氏はこの問題をSNSで「政治家による公金マネーロンダリング」と断じ、連日にわたって激しい批判を展開している。「適法か違法かではない。外形的公正性の問題だ」として、法的な問題がなくても政治家としての倫理観を問題視している。
維新との決定的亀裂
番組で同局報道部解説委員の後藤俊博氏から、維新内の「大阪と東京の摩擦」を背景とした発言かと問われた橋下氏は、即座に否定した。「大阪と東京の摩擦というよりも、僕と維新の摩擦じゃないですか?」と述べ、個人的な対立であることを明確にした。
続けて橋下氏は「維新のメンバーで、僕のこと今『ホント、あいつだけは日本から放り出せ』というぐらいの勢いで怒り狂ってる」と明かし、党内からの強い反発があることを率直に認めた。この発言は会場の笑いを誘ったものの、維新創設者と現在の党幹部との関係が修復不可能なほど悪化している深刻さを物語っている。
メディア側の立場を強調
橋下氏はさらに自身の立場について「僕はメディア側の立場なので、維新であろうがどこの政党であろうが」と説明し、中立的な批判者としての姿勢を強調した。「今回の件に関しても藤田さんにも吉村さんにも一切、連絡したらおかしくなっちゃうからね。僕はメディアから『これはおかしい、おかしい』と言い続けます」と述べ、かつての盟友に対しても容赦しない姿勢を見せた。
この発言は橋下氏が維新の「創設者」でありながら、現在は完全に外部の立場から党を批判していることを示している。政治評論家として活動する橋下氏にとって、維新への忖度は信頼性を損なう要因と考えているとみられる。
党内の反応と今後の影響
この騒動を受けて、党内からは様々な反応が出ている。SNS上では多くの声が上がっている。
「橋下さんの批判は的確だと思う。身を切る改革を掲げる党なのに矛盾してる」
「創設者なのに維新を批判するのはおかしい。党を混乱させてるだけじゃないか」
「政治とカネの問題は厳しく追及すべき。橋下さんは正しいことを言ってる」
「維新の内輪もめにはうんざり。もっと政策で勝負してほしい」
「メディア側の立場って言うけど、影響力は計り知れないよね」
維新内部では橋下氏への批判が高まっている一方で、藤田氏の疑惑そのものへの疑問の声も根強い。11月4日の記者会見で藤田氏は「今後は当該企業には発注しない」と表明したが、過去の行為についての明確な釈明は避けたままだ。
国民民主党の足立康史元衆院議員(現在維新を離党)は「橋下氏の批判はレベルが低い」と反論するなど、維新関係者の間でも見方が分かれている。しかし橋下氏の影響力は依然として大きく、党のイメージダウンは避けられない状況だ。
連立政権への影響も
この問題は自民党との連立協議にも影響を与えている。維新は「身を切る改革」を掲げて議員定数削減を強く主張してきたが、幹部による公金の不透明な使用が明らかになったことで説得力を失いつつある。高市早苗首相も維新との連携に慎重な姿勢を見せており、政権運営への影響も懸念される。
橋下氏は「身を切る改革は大虚構になる。定数削減も社会保障改革も止まる」とSNSで警告しており、維新の看板政策にも疑問を呈している。党の根幹となる理念が揺らぐ中、吉村洋文代表の指導力が問われている。