2025-10-29 コメント投稿する ▼
旧統一教会補償委員会が正式設置―橋下徹と若狭勝が時効超え救済判断、解散命令対抗か
この組織は、従来の法律要件を超えた被害補償を実現することで、教団に対する社会的批判を軽減し、進行中の解散命令裁判への対抗姿勢を示すものとみられている。 背景にあるのは、旧統一教会への解散命令をめぐる法的危機感である。 この複雑な立場が、補償委員会への参加と絡まることで、被害者支援の純粋性をめぐる議論を生じさせている。
時効や証拠不足を超えた補償方針
補償委員会は、橋下事務所から溝上宏司、松隈貴史、杉山幸太郎の各弁護士が委員として参加し、去来川祥弁護士が事務局長を務める。法律上の最大の特徴は、返金要望が消滅時効や除斥期間を超えている場合でも、聞き取り調査などを通じて蓋然性が認められれば、法律の枠内を超えた補償を原則として行うという方針だ。従来、教団は賠償請求に対して民法の消滅時効を厳格に主張してきた。今回の方針転換は、その法的硬直性を大きく緩和するものである。若狭勝弁護士が参与として関与することで、法的専門性と検察経験に基づいた被害の実態把握がより深まることが期待される。
教団の広報部局は、「社会に開かれた宗教として発展するため、方針転換した」とコメントしており、被害者支援へ前向きな姿勢を装う意図が明らかである。ただし、その背景にある戦略的な判断は複雑である。
解散命令審理を見据えた軟化戦略
背景にあるのは、旧統一教会への解散命令をめぐる法的危機感である。2025年3月25日、東京地方裁判所は民法上の不法行為に基づく初めての解散命令を教団に対して下した。判決では、献金被害が1500人を超え、総額が約204億円に達することが認定された。裁判所は約40年間にわたる全国規模の違法献金勧誘を「類例のない膨大な規模の被害」と評価し、最近まで被害が続いていることを指摘した。教団は即時抗告し、現在東京高等裁判所で審理が大詰めを迎えている。
補償委員会の設置発表は、この審理の進行状況と密接に関連している。被害者への積極的な補償姿勢を示すことで、法廷における教団の社会的信用を回復し、高裁の判断に影響を与えようとする狙いが見え隠れする。
「これまで一銭も返さなかった教団が急に被害者救済に乗り出すのはおかしい」
「法律を超えた補償なんて聞こえがいいが、結局は裁判対策では」
「時効だからと逃げ続けた責任はどうなるのか」
「透明性がなければ本当の救済にはならない」
「元検察幹部まで関わるなら、きちんと監視する必要がある」
橋下徹氏と若狭勝氏は、テレビ番組での言論活動で知られ、旧統一教会の高額献金や霊感商法を批判する立場を示してきた。一方で、両氏は解散命令の法的妥当性についても疑問を呈する発言をしている。この複雑な立場が、補償委員会への参加と絡まることで、被害者支援の純粋性をめぐる議論を生じさせている。
被害者支援の実効性が問われる時期
2024年7月の安倍晋三元首相銃撃事件以来、旧統一教会問題は社会的関心の焦点となってきた。事件の背景に教団による献金被害がある点が明らかになって以来、国会でも法改正論議が進んでいる。補償委員会の設置は、一連の社会的圧力への対応であると同時に、解散命令の不当性主張という教団の法的戦略の一環でもある。
今後、補償委員会がどの程度実効的に被害者救済を進めるか、また透明性のある運営が実現するかが、旧統一教会問題の次の段階を左右する重要なポイントとなるだろう。被害者救済という社会的要請と、教団の生存戦略のはざまで、この委員会がいかなる役割を果たすかについて、国民の注視が集まっている。