2025-07-20 コメント投稿する ▼
政治団体「チームみらい」が政党要件を初達成 安野貴博氏の挑戦、得票率2%超で新風
AIエンジニアから政治へ 安野貴博氏が率いる「チームみらい」
7月20日に投開票された参院選の比例代表で、新興政治団体「チームみらい」が公職選挙法上の政党要件を満たす得票率2%を確実にした。これにより、「チームみらい」は正式に政党としての資格を得る見通しとなった。
この団体を率いるのは、AIエンジニアであり2023年東京都知事選に立候補して注目を集めた安野貴博氏。今年5月に設立したばかりの新団体ながら、参院選では15人の候補者を擁立し、全国で存在感を示した。
政治の世界に飛び込んだ安野氏は、「日本の政治にデジタルと未来志向を」と訴え、既存政党とは異なるスタイルで若年層や無党派層への訴求を展開。選挙戦では、SNSやライブ配信を活用した「可視化された選挙運動」を貫いた。
「正直、知らない党だったけど主張が面白くて投票した」
「政治に未来感がなかった中で、こういうチャレンジは希望だった」
SNSでは、既存の政治に閉塞感を感じていた層から、肯定的な反応が目立つ。
設立わずか2か月、異例のスピードで政党要件達成
政党要件とは、公職選挙法において「国政選挙で2%以上の得票」などの条件を満たした政治団体に与えられるステータスで、政見放送の利用、政党助成金の受給資格などを獲得できる。これにより、「チームみらい」は今後、制度的にも一定の影響力を持つ“政党”として活動できることになる。
通常、新設の政治団体がこのラインを超えるのは非常に難しいとされている。わずか2か月前に発足したばかりの「チームみらい」がこれを達成したのは、極めて異例だ。
安野氏は過去の都知事選でも話題を呼び、「テクノロジーと市民社会の融合」を掲げていた。今回の国政選挙でも、AI技術者としてのバックグラウンドを活かし、電子投票やデジタル民主主義の推進、ベーシックインカム構想、教育改革などを掲げた。
「こういう政策が若者の心をつかんでるんだろうね」
「ちゃんと未来の話をしてる政党って意外と少ないから、注目してる」
若年層を中心に、既存政党にないテーマ性とフットワークの軽さが評価された。
“泡沫”からの脱却 多様な候補者が話題に
「チームみらい」は今回の参院選で、医師、科学者、IT技術者、農業関係者、子育て世代など、多様なバックグラウンドを持つ候補者を全国比例で擁立。必ずしも当選は叶わなかったものの、「既存政党にいない顔ぶれ」が話題を呼び、SNS上では候補者自身による発信が注目された。
また、討論会や公開質問状への回答も積極的に行い、特定のイデオロギーに偏らず、現場の声を吸い上げる姿勢が評価されている。
「顔ぶれが面白い。それぞれの専門性があって聞いてて飽きない」
「泡沫候補と思ってたけど、思ったより真剣で好感持てた」
従来の“泡沫候補”扱いから脱却し、「新たな選択肢」として見られ始めている兆しがある。
次の国政・地方選へ「選ばれる政党」になれるか
政党要件を満たしたことで、「チームみらい」は次の選挙に向けて制度的にも大きな前進を遂げた。政見放送や助成金の利用が可能になることにより、活動の幅も広がる。だが、課題も多い。支持層の固定化、政策の具体化、地方への浸透など、政党としての「足腰」をどう作っていくかが問われる。
また、「未来」や「テクノロジー」といった抽象的なキーワードだけでは、生活者の現実に寄り添った政策実行には至らない。今後はベーシックインカムや教育改革といった政策に対して、財源・制度設計・実行可能性の具体策を示す必要がある。
いま、日本の政治は「既存政党への不信」と「新勢力への期待」が交差する転換点にある。「チームみらい」が本当に“未来を語れる政党”になれるかは、これからが本番だ。