2025-08-18 コメント投稿する ▼
神宮外苑再開発、秩父宮ラグビー場用地処分に批判 認可わずか1週間の拙速対応
神宮外苑再開発、秩父宮ラグビー場用地処分に批判
東京都新宿区・港区で進む神宮外苑再開発をめぐり、日本共産党の吉良よし子参院議員と尾崎あや子都議は18日、参院議員会館でスポーツ庁の担当者から聞き取りを行い、秩父宮ラグビー場用地の財産処分を文部科学相が認可した件について撤回を求めた。
この計画では、多数の樹木を伐採し、秩父宮ラグビー場を移転・建て替え、屋根付き多用途施設とすることが含まれる。事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)は7月31日に財産処分の認可を申請し、阿部俊子文科相がわずか1週間後の8月7日に認可を出した。通常は1カ月程度かかるとされる手続きが異例のスピードで進んだことに対し、議員らは「拙速で公正さを欠く」と強く批判した。
「国民の財産を、事業者の要望通りに急ぎで処分するのは納得できない」
「1週間で認可とは、市民の声を無視した拙速な判断だ」
「資産額が等価と言うなら根拠資料を示すべき」
「事業者言いなりでは、行政の独立性が失われる」
「国民の財産を守る意識があまりにも欠けている」
スポーツ庁の説明と問題点
スポーツ庁の担当者は、認可の条件として①処分前と処分後の資産額が等価であること、②資産額の鑑定評価が適正に行われること、③新ラグビー場の設計変更について都知事の認可を得ることを挙げた。しかし、吉良・尾崎両氏が「資産が等価である根拠資料を示すように」と求めたにもかかわらず、担当者は提示しなかった。
両氏は「根拠を示さずに妥当とするのは公正な認可とは言えない」と指摘。さらに、認可が「事業者の要請に応じただけ」で行われたとすれば、行政の独立性が損なわれ、国民の財産を守る役割を果たしていないと批判した。
市民や専門家の反発
ラグビー関係者や愛好者、都市計画の専門家らからも反対の声が上がっている。計画では多数の樹木伐採が予定されており、環境や景観の破壊につながるとの懸念も大きい。さらに、超高層ビルの建設は地域の景観や文化的価値を損なうとして、住民や市民団体も抗議を続けている。
拙速な認可に潜むリスク
文科省の担当者がかつて「通常は申請から認可まで1カ月程度かかる」と説明していたにもかかわらず、今回はわずか1週間で認可された。これにより「行うべき手続きを飛ばしたのではないか」との疑義が強まっている。行政が市民の声を無視し、事業者の要望に沿って国民の財産を処分したとの印象を与えており、今後の信頼性に深刻な影響を与えかねない。