2025-07-22 コメント投稿する ▼
吉良よし子氏が女性と無党派で最多支持 東京選挙区の変化を出口調査が映す
女性と無党派層が後押し 東京選挙区・吉良よし子氏が最多支持
7月20日に投開票された参議院選挙において、東京選挙区(改選数6、欠員1)で当選した日本共産党の吉良よし子氏が、女性および無党派層から最も多くの支持を集めていたことが、各種出口調査により明らかになった。
この調査結果は、「朝日」および「共同通信」がそれぞれ実施した出口調査を基に報じられたもので、吉良氏の支持の内訳や背景には、都民の間で根強いジェンダー観、政党不信、そして市民派志向の台頭があると見られる。
女性の支持で突出、男性トップは参政党候補
「朝日」の出口調査によれば、女性有権者のうち11%が吉良氏に投票したと回答しており、これは全候補中最多の割合である。一方、男性有権者の最多は、参政党のさや氏で13%。男女で支持傾向が異なる点が際立っている。
「共同通信」の出口調査でも同様の傾向が確認されており、女性の投票先として吉良氏がトップであった。男性ではやはり参政党のさや氏が最多となっている。このジェンダー間の支持構造の差異は、候補者の訴求力の違いを反映している可能性がある。
特に吉良氏は、若年女性の雇用・ジェンダー平等・教育無償化といったテーマを前面に掲げており、こうした政策的立ち位置が女性票の獲得に直結したと考えられる。
無党派層の心をつかんだのは「共産と国民」
政党支持を明確にしない「無党派層」においても、吉良氏の存在感は大きかった。「朝日」の調査では、吉良氏と国民民主党の牛田茉友氏がそれぞれ9%の支持を得てトップを分け合った。
一方、「共同通信」の調査結果では、無党派層のうち11.0%が吉良氏に投票したと回答。これは全候補中最多であり、次いで牛田氏が9.8%で続いた。共産党と国民民主党という立場の異なる2人が、無党派層の支持を二分する形となった点は興味深い。
無党派層が選んだ2人の共通点として、「政党カラーに染まりきらない個人のメッセージ性」「地に足のついた政策提案」「過度にイデオロギッシュでない実務志向」などが指摘されている。
「組織票じゃなくて、個人の言葉が届いた感じがした」
「党の名前より、どんなことを実現してくれそうかで選んだ」
「吉良さんは地道にやってる印象があった」
「国民民主も現実的な話が多くて、聞いてて納得できた」
「政党不信だから、無所属に近い感覚で見てるかも」
共産党の難局の中で光る個人票
吉良氏が属する日本共産党は、近年支持層の固定化と高齢化により、組織的な広がりに限界が指摘されていた。とりわけ都市部においては、党そのものへの支持が伸び悩む傾向がある。
それにもかかわらず吉良氏が多数の女性票と無党派層票を集めた背景には、従来の共産党のスタイルからやや距離を置いた個人主導の発信と、SNSを通じた直接的な訴えが功を奏したと見られる。
また、東京選挙区においては「反自民・反維新」といった構図に加え、ジェンダー平等、教育支援、格差是正などの政策的テーマへの共感が、無党派層や若年層に浸透していたことも影響している。
新たな地殻変動の兆し
この出口調査の結果は、これまで「組織型」政党とされてきた共産党にとっても、個人の訴求力が選挙結果を左右する時代への転換を示唆している。同時に、政党支持を基軸としない有権者が今後さらに増える中で、「無党派の心をどう掴むか」が各政党にとって重要な課題になることも明らかだ。
また、今回の東京選挙区の構図は、今後の全国規模の選挙でも再現される可能性がある。特に都市部では、性別や政党支持にとらわれない投票行動が広がりを見せており、政党の枠組みに依存しない候補者像が求められつつある。