2025-03-24 コメント投稿する ▼
教員残業時間3割減の試算に疑問、吉良議員が撤回を要求
■ 休憩時間の計算方法の違いが問題に
吉良議員が文科省に対して、どのように残業時間を算出したのかを質問したところ、文科省の望月禎初等中等教育局長は、2016年と2022年では休憩時間の取り扱いが異なっていたと答えました。2022年のデータでは、教員が取る休憩時間(20分)を残業時間から引いた上で計算しているのに対し、2016年のデータでは休憩時間を差し引いていなかったということです。この違いが、両年の残業時間を直接比較できない理由となっていることが明らかになりました。
■ 新型コロナの影響で減少した可能性も
吉良議員は、2022年の残業時間が減少した背景には、新型コロナウイルスの影響で学校行事や部活動が大きく制限されたことがあるのではないかと指摘しました。これにより、教員の残業時間が実際よりも短く見える可能性があるとし、実際には残業時間は3割減ではなく、もっと少ない減少幅である可能性を示唆しています。
■ 長期的な残業時間の増加
さらに、吉良議員は、2022年のデータを2006年と比較したところ、教員の残業時間が1.6倍に増加していることも指摘しました。このデータから、残業時間が長期的に増加していることが分かり、文科省が発表した試算が現実と乖離していることが浮き彫りになりました。
■ 法案審議への影響
文科省が発表した試算を元に、現在、教員給与特別措置法(給特法)改定案が審議されています。しかし、この試算が実態を反映していないことを踏まえ、吉良議員は「この数字を前提にして法案を議論することはできない」と訴えました。しかし、阿部俊子文科相は試算を見直す考えはないと強調し、再計算を拒否しました。
■ 今後の課題と対応
この問題を受け、今後は教員の残業時間に関するデータの透明性と一貫性が求められます。正確なデータを基にした政策決定が、教員の働き方改革を進めるためには不可欠です。また、教員の過重労働は教育の質にも影響を与えるため、働き方改革の進展が急務です。信頼できるデータを用い、実態に即した政策を立案することが重要です。