2025-08-16 コメント投稿する ▼
沖縄・南風原町で自衛隊イベントに中止要請 「自衛隊=戦争」という短絡に反発の声も
南風原の商業施設で自衛隊イベント、住民が中止要請
沖縄県南風原町で16日に予定されている自衛隊沖縄地方協力本部主催の子ども向けイベントをめぐり、住民団体「戦争させない有志の会」と「ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会」が中止を求める要請書を提出した。15日には陸上自衛隊那覇駐屯地や沖縄地方協力本部、さらに町役場と商業施設に文書を手渡し、実施をやめるよう訴えた。
一方、商業施設側は取材に対し「予定通りに実施する」と回答。陸自や沖縄地方協力本部は要請に対して公式な返答をしていない。
イベントの概要と住民側の懸念
イベントは夏休みの子ども向けに企画されたもので、野外電話での通話体験やモールス信号、背のうの装着、ロープワーク、制服試着などを体験すると景品がもらえる内容だ。
住民団体は「平和の町である南風原町に自衛隊イベントはそぐわない」として中止を求めた。有志の会の島袋和美さんは「非核都市宣言や憲法9条の碑を建てた町で、自衛隊イベントは県民感情と相いれない」と語り、新垣邦雄さんも「子どもたちを次の戦争に向かわせる意図を疑わざるを得ない」と懸念を表明した。
「自衛隊=戦争」という短絡と反発
今回の中止要請には異論も出ている。ネット上では、自衛隊と戦争を直結させる考え方に対して「短絡的すぎる」との声が多く見られた。
「自衛隊=戦争と決めつけるのは乱暴だ」
「子どもに災害派遣や通信技術を学ばせる場でもあるのに」
「平和の思いは大切だが、イベントを潰すのは傲慢では」
「地域の歴史を踏まえて慎重さは必要だが、即中止は違う」
「子どもたちが職業や社会の一部を知る機会を奪うべきではない」
住民団体の主張が「平和を守るため」という目的であっても、子ども向けイベントの場を否定するやり方が適切かどうかには賛否が割れている。
沖縄の歴史と現代的課題
沖縄は戦争被害の記憶が色濃く残る地域であり、平和教育や反戦の意識が強い。一方で、災害対応や地域防衛を担う自衛隊の活動も現実には生活と密接に関わっている。
今回の南風原町での出来事は「平和の記憶」と「現代の安全保障や社会教育」をどう両立させるのかという問いを突きつけている。自衛隊を戦争と結びつけて一括りに否定する姿勢と、地域の平和感情の尊重との間で、難しい議論が続きそうだ。