2025-07-21 コメント投稿する ▼
鈴木宗男氏、引退宣言から一転の当選確実 「最後の戦い」で再び国政へ
引退表明から数時間後の「当確」 支援者ら騒然
7月21日早朝、札幌市の事務所に姿を見せた自民党比例代表候補・鈴木宗男氏(77)は、敗色濃厚とされる情勢の中で「もう選挙には出ない。終止符だ」と引退を宣言。記者団に対し、淡々とした表情で「長い政治人生に幕を引く」と語った。しかし、そのわずか数時間後、選挙区の開票が進む中で「当選確実」が報じられ、事務所は騒然となった。
支援者ら約10人が駆けつけ、驚きと歓喜が入り混じるなかで鈴木氏の到着を待ちわびた。23年ぶりに自民党に復党し、比例での出馬。「最後の戦い」と位置づけていた選挙は、まさに“引退表明からの逆転劇”となった。
「あのタイミングで引退宣言したのに、当確ってドラマすぎる」
「正直びっくりしたけど、鈴木宗男らしい展開」
SNS上でも「劇場型政治家」としての健在ぶりに、驚きと納得の声が広がった。
ライフワーク「北方領土問題」訴え続けた選挙戦
選挙戦中、鈴木氏が繰り返し訴えたのは、長年のライフワークである「北方領土問題」だった。北海道を中心に、長女で自民党の鈴木貴子衆院議員とともに街頭に立ち、「平和条約締結と北方領土返還交渉を最後までやり抜きたい」と訴えた。
ロシアとの関係を重視してきた鈴木氏は、これまで多くの批判と注目を集めてきたが、ロシアとの直接交渉に携わってきた数少ない政治家の一人でもある。とりわけ北海道の有権者の中には、「鈴木宗男だからこそ言えることがある」として期待を寄せる層も根強かった。
「北方領土の話を本気でしてたのって鈴木さんぐらい」
「批判されてもロシアと関係を築こうとした姿勢は評価したい」
外交経験と地域密着の政治スタイルは、特定層の信頼を得る要因となった。
維新から自民へ、波乱の政治人生にまた1ページ
鈴木氏は2002年、自身が関わった北方四島支援を巡る疑惑により自民党を離党。以後は政界を離れていた時期もあったが、2019年に日本維新の会から比例代表で国政に復帰した。だが、2023年にはロシア訪問に関する党内手続き上の問題などを巡って維新を離党し、再び“政治的孤立”の状態に。
そんな中、2024年に自民党への復党が認められ、古巣から再出馬。77歳という年齢と過去の経緯から「最後の選挙」と位置づけた今回、引退の表明とともに訪れた当選劇は、波乱に満ちた政治人生の延長戦を示唆するものとなった。
「何度も戻ってくる。これが鈴木宗男の政治生命力か」
「ロシア絡みで離党してまた自民って、普通じゃできない」
評価は分かれるが、政治の舞台から離れない“粘り強さ”は異彩を放っている。
「終止符」の先にある政治的使命とは
当選が確実となった今、引退発言を撤回するのか、それともあくまで「最後の任期」として臨むのか。鈴木氏は今後、どのような政治活動を行うのかが注目される。
本人は「北方領土交渉の火を絶やさぬよう働き続ける」と語っており、次の世代への“引き継ぎ”を意識した活動になる可能性もある。一方で、復党したばかりの自民党内での影響力や立ち位置には不透明な部分も多く、慎重な対応が求められる。
いずれにせよ、今回の当選は「劇的」であり、政治家・鈴木宗男の“しぶとさ”を象徴する出来事となったことは間違いない。