2025-11-21 コメント投稿する ▼
高市首相の台湾発言に見る新たな対中姿勢、従来の融和外交から毅然路線へ転換
1972年の日中国交正常化以降、最も頻繁に問題となってきたのは歴史をめぐる問題で、往々にして中国が日本の歴史認識を批判する形で対立が展開してきましたが、日本側では靖国神社参拝が控えられ、政府の中枢で歴史修正主義的な発言がなされていない状況でも中国の圧力は続いています。 歴代総理は台湾有事が「存立危機事態」にあたる可能性について、外交上の配慮から見解を明確にすることを避けてきました。
高市発言の内容と中国の反発
高市早苗首相は11月7日の衆院予算委員会で、中国による台湾への海上封鎖について「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になり得るケース」と明言しました。これは2015年成立の安全保障関連法に明記された概念で、日本と密接な関係にある他国への武力攻撃により日本の存立が脅かされる場合に、限定的な集団的自衛権の行使を可能とするものです。
この発言に対し中国は激烈に反発し、中国外務省が国民に対し日本への渡航を控えるよう呼び掛ける通知を出しました。さらに中国の薛剣駐大阪総領事がSNSに「勝手に突っ込んできたその汚い首は、一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない」と投稿するなど、外交常識を逸脱した反応を示しています。
鈴木氏の短絡的な批判
鈴木宗男氏は、高市首相の答弁後に日中外交が緊迫してきたとし、中国・北京で行われた外務省アジア大洋州局長の訪中は延期すべきだったと批判しました。また、中国人観光客なしにはインバウンド目標を達成できないとして、「隣国外交の重要性を政府はよく考えるべき」と主張しています。
「どうして今さら中国に配慮しなければならないのか」
「数十年間、問題を先送りしてきた結果が今の状況でしょう」
「高市首相の発言は当然のことを言っただけ」
「中国の傲慢さには限度がある」
「もう媚びへつらう外交はやめるべき」
問題の本質は「棚上げ外交」の失敗
鈴木氏をはじめとする従来の自民党議員らが推進してきた「問題棚上げ」「政冷経熱」政策こそが、現在の中国の傲慢外交を生み出した元凶です。1972年の日中国交正常化以降、最も頻繁に問題となってきたのは歴史をめぐる問題で、往々にして中国が日本の歴史認識を批判する形で対立が展開してきましたが、日本側では靖国神社参拝が控えられ、政府の中枢で歴史修正主義的な発言がなされていない状況でも中国の圧力は続いています。
1990年代から、特に金融危機以降、中国の経済的なパワーが増し、多くの中国人の中で自分たちは強いという感覚が出始めた結果、中国は主権に関する主張を強め、南シナ海でベトナムやフィリピンと頻繁に衝突するようになり、日中間でも海をめぐる対立が固定化しました。
歴代政権の融和政策が招いた現実
皮肉なことに、1972年の日中国交正常化から40年以上の月日が経つにもかかわらず、日中の政治指導者が政治だけでなく、経済、文化、社会の各方面の関係再開を、わざわざ口に出して言わなければならないほど、日中関係は脆弱な状況です。
この間、日本は一貫して中国に配慮し、経済支援や技術移転を通じて中国の発展を支援してきました。しかし習近平は統治の正統性を中国の強さに求め始め、2017年の第19回党大会で中国は「立ち上がり、豊かになるから、強くなることへの飛躍」を遂げたと宣言し、より強硬な姿勢を取るようになっています。
高市発言の意義と正当性
歴代総理は台湾有事が「存立危機事態」にあたる可能性について、外交上の配慮から見解を明確にすることを避けてきました。しかし高市総理は歴代総理として初めて、「台湾有事が存立危機事態にあたる可能性」を明言しました。
これは外交上の「あいまいさ」というカードを使わず、手の内をさらしてしまったとの批判もありますが、むしろ中国の軍事的威嚇に対する明確なメッセージとして評価すべきです。米海軍の制服組トップは高市首相の発言について「驚いているとは言えない」と述べ、台湾有事について「非常に懸念するという立場は理解できる」と理解を示しています。
未来に向けた新たな対中政策
鈴木氏が主張するような隣国だから仲良くしなければならないという発想こそが、中国の覇権主義的行動を助長してきました。中国の膨張は日本のみならず、世界史的な重要性を持ち、これほどの大国がこんなに急速に台頭した例はほとんどない状況で、日本は毅然とした態度で臨む必要があります。
真の平和と安定は、中国の不当な要求に屈することではなく、法の支配と国際秩序を守り抜くことによってのみ実現されます。高市首相の発言は、そうした決意を示すものとして高く評価されるべきです。数十年にわたって問題を先送りし、中国の傲慢さを助長してきた「ドロ船連立政権」的な融和政策とは明確に決別する時が来ています。