2025-06-05 コメント投稿する ▼
旧姓通称使用は限界 小池晃氏が選択的夫婦別姓の早期導入を要求
旧姓使用の限界を国会で追及 小池晃氏「選択的夫婦別姓こそが本質的解決」
日本共産党の小池晃書記局長は6月5日の参院財政金融委員会で、旧姓の通称使用が「選択的夫婦別姓」の代替にならない実態を具体例とともに明らかにし、選択的夫婦別姓制度の早期導入を改めて強く訴えた。
小池氏は、金融庁と内閣府が2022年に実施したアンケート調査を引き合いに出し、「旧姓での口座開設に対応している金融機関は銀行で68.8%、信用金庫で58.3%、信用組合ではわずか12.4%にとどまっている」と指摘。旧姓使用の選択肢が制度として整備されているように見えても、現場ではほとんど機能していないことを強調した。
また、旧姓での口座開設を認めるとされていた金融機関でも、実際には対応されなかったケースを紹介。山口県の女性弁護士が業務で旧姓を使用しようとしたところ、毎回本人確認を求められ、不便を強いられたという実例を示し、「制度と現場のギャップ」が大きな問題になっていることを浮き彫りにした。
証券・保険・ローンも旧姓使用に壁 経済活動の制約が現実に
議論は金融機関だけにとどまらない。小池氏は、有価証券や投資信託、個人型確定拠出年金(iDeCo)などの金融商品取引においても、旧姓口座が利用できない現状を指摘。金融庁の伊藤豊・監督局長は「旧姓口座で有価証券の取引ができる金融機関は承知していない」と認め、制度としての不備が露呈した。
さらに、クレジットカードの発行や住宅ローン、生命保険の契約といった日常的な経済活動の分野でも、旧姓では手続きが滞るケースが多く、個人の経済的な信用の獲得に大きな障害となっている。
小池氏は、「一人の人間を単一名称で一貫して管理しなければ、正確な課税や不正取引の防止が難しくなるという金融機関側の事情も理解する」としたうえで、「だからこそ、選択的夫婦別姓制度が必要なのだ」と主張した。
「人権とアイデンティティーの問題」国際水準に合わせた制度改革を
小池氏は、旧姓の通称使用に頼る現在の制度では、「人権とアイデンティティーが軽視されている」と批判し、国際的に認められている「選択的夫婦別姓制度」への移行が必要だと訴えた。
「同姓に強制されることで、特に女性が仕事の継続や社会的信用を得る上で多大な不利益を被っている。通称使用のままでは、根本的な問題は何も解決しない」と述べた。
これに対し、加藤勝信・金融担当相は「旧姓での口座開設などに関して、できるだけ支障がないように周知を進めていく」と答弁。しかし小池氏はすかさず、「そもそも選択的夫婦別姓を導入すれば、こうした支障は一切生じない」と反論した。
選択的夫婦別姓の議論、再び注目集まる
国会でのこうしたやりとりを受けて、SNS上では選択的夫婦別姓制度を求める声が改めて盛り上がりを見せている。
「名字が違うだけで社会的信用が得られないなんて理不尽すぎる」
「旧姓で口座すら作れないなんて、現代社会にそぐわない」
「国際的には当たり前なのに、日本だけいつまでも前に進まない」
「周知で解決とか言ってるけど、制度そのものを変えないとムリ」
「小池さんの指摘は本質を突いてる。もっと真剣に議論してほしい」
制度の現実と運用のギャップに苦しむ人々の声が、ようやく政治の場でも真剣に取り上げられ始めている。旧姓通称使用に頼るこれまでの“応急措置”では限界があることが明確になった今、立法府の責任として、実効性ある法改正が強く求められている。