2025-04-26 コメント: 1件 ▼
消費税5%一律減税とインボイス廃止へ 共産・小池氏「国民利益に最もかなう提案」
消費税減税議論が加速
共産・小池書記局長「国民利益に最もかなう提案」強調
日本共産党の小池晃書記局長は26日、東京都板橋区で街頭演説を行い、消費税減税を巡る与野党の議論が本格化してきたことについて「消費税がいよいよ政治の中心課題になってきた」と歓迎の意を表した。小池氏は、同党が打ち出した「暮らしを守る緊急提案」に基づき、消費税減税案の四つの特長を示しながら、「これが国民利益に最もかなう提案だ」と力説した。
共産党が訴える「四つの特長」
小池氏が演説で強調した提案の特徴は以下の通りだ。
- 第一に「5%への一律減税」である点。小池氏は「食料品だけでなく、生活に必要なあらゆる物品が値上がりしている。だからすべて一律5%にする。実務面でもこれが最も効率的だ」と述べ、特定品目だけを対象にする案では不十分だと主張した。
- 第二に「インボイス制度の廃止」とセットである点。小池氏は「インボイス発行のために課税事業者になった場合、身銭を切って消費税を納めなければならない」と述べ、特に中小零細事業者への負担が深刻であると指摘。消費税を一律5%に戻せば複数税率が不要となり、インボイスの根拠も失われると訴えた。
- 第三に「一時的減税ではなく、最終的な消費税廃止を目指す」点。小池氏は「1年限りの減税ではなく、5%に減税したのちに廃止をめざす。消費税は最悪の大衆課税だ」と強い口調で語った。
- 第四に「財源確保の道筋を明示」している点。共産党は「借金に頼らず、大企業と富裕層への応分の負担によって財源をつくる」としており、小池氏は「減税を本気で実行するなら恒久財源を示すべきだ。それが責任ある政治の姿勢だ」と訴えた。
インボイス制度と中小企業への影響
共産党が減税と同時に廃止を求めるインボイス制度は、昨年10月に導入された。制度のもとでは、事業者が適格請求書(インボイス)を発行するには課税事業者になる必要があり、免税事業者にとっては事実上の負担増となっている。国税庁によれば、インボイス発行事業者の登録件数は導入初年度で約350万件に達したが、中小事業者や個人事業主からは「取引打ち切り」や「実質的な増税」との悲鳴が相次いでいる。
特に文化・芸術、フリーランスの業界では影響が深刻であり、政府に対し緩和措置や見直しを求める声が広がっている。こうした現状を受け、共産党は「インボイスと消費税減税は一体で対応すべき」との立場を鮮明にしている。
消費税減税論議の行方
消費税減税を巡っては、立憲民主党も「食料品などの一部消費税ゼロ」案を打ち出しており、国民民主党も時限的減税を掲げている。一方、政府・与党内では慎重論が根強い。岸田政権はこれまで「消費税は社会保障財源として不可欠」として減税に否定的な姿勢を続けてきたが、物価高騰や実質賃金の減少が続く中、今後の世論動向次第では見直し論議が加速する可能性もある。
小池氏は演説の最後に、「今こそ国民の暮らしを守る政治に切り替えるべきだ」と訴え、共産党案への支持を呼びかけた。消費税をめぐる議論は今後の国政選挙に向け、重要な争点の一つとなる見通しだ。
- 小池書記局長、消費税減税を「国民利益に最もかなう」と強調
- 共産党提案は「5%一律減税」「インボイス廃止」「廃止目指す」「恒久財源確保」の四本柱
- インボイス制度は中小・個人事業主に負担増、共産党は廃止主張
- 消費税減税論、野党各党でも提案相次ぐが、政府与党は慎重姿勢