2025-04-17 コメント: 4件 ▼
女性天皇「排除ありき」に懸念 小池氏、皇位継承の議論に「国民の総意」求める
女性天皇の議論、国会で本格化 共産・小池氏が制度改革を訴え
2025年4月17日、衆参両院は皇位継承のあり方に関する全体会議を衆院議長公邸で開催した。この会議には日本共産党から田村智子委員長と小池晃書記局長が出席し、女性天皇の導入を含む制度改革の必要性を強く訴えた。
小池氏は、現行の男系男子による継承制度が憲法の精神や国民の意識と乖離していると指摘し、女性天皇の議論を正面から行うべきだと主張した。
小池氏の主張と問題提起
小池氏は、2005年の有識者会議で旧皇族の皇籍復帰案が「国民が皇族として受け入れることができるか懸念される」として採用されなかったにもかかわらず、再びこの案が持ち出されていることに疑問を呈した。
また、皇籍復帰を行う場合、当事者の意思を尊重する必要があるが、その場合は男系男子継承のために男子を産むことが強制されることになると指摘し、一度皇族の身分を離れた者が再び皇族となるのは歴史的にも極めて異例であると強調した。
憲法との整合性と国民の総意
小池氏は、憲法学者から「一般国民である男系男子を皇族とする制度を設けることは、門地による差別として憲法上の疑義がある」との指摘があることを紹介した。
前回の全体会議で内閣法制局は憲法に抵触しないと説明したが、衆院法制局長は憲法学説が分かれているとして、国会として憲法学者などの意見を聞く必要があると述べた。
小池氏は、憲法第1条が天皇の制度を「主権の存する日本国民の総意に基づく」と定めていることを踏まえ、国民の総意に基づく天皇の制度のあり方を議論する上で、女性天皇について正面から検討すべきだと強調した。
会議運営への批判と今後の懸念
会議後の記者会見で小池氏は、「会議の運営の仕方は問題だった」と述べ、議長・副議長が設定した論点に絞って意見を求めたことを批判した。
また、額賀福志郎衆院議長が次回の会議に「とりまとめ」を示して議論すると述べたことに対し、「女性天皇を最初から排除するものを出してくるのではないか。それには反対だ」と語った。
世論と国際的な視点
近年の世論調査では、女性天皇を容認する声が多数を占めており、2024年4月の共同通信の調査では90%、毎日新聞の調査では81%が女性天皇を支持している。
また、国連の女性差別撤廃委員会は、日本政府に対し、皇室典範の改正を通じて女性の皇位継承を認めるよう勧告している。
しかし、日本政府はこれに対し、皇位継承資格は基本的人権に該当しないとして反論し、2025年1月には同委員会への拠出金の停止を発表した。
今後の展望
皇位継承問題は、皇室の存続と国民の象徴としての天皇制のあり方を問う重要な課題である。女性天皇の導入を含む制度改革について、国会での真摯な議論と国民的な合意形成が求められている。今後の全体会議で、幅広い意見を取り入れた議論が進むことが期待される。