2025-04-10 コメント投稿する ▼
若年層の不安広がるNISA制度 小池氏「預金型導入などリスク抑制を」参院委で提案
若年層の不安とNISAの現状
小池氏は、金融庁の資料を引用し、NISA口座の開設数が20代で最も増加しており、利用者の約70%が年収500万円未満であることを指摘した。この層は、相場の下落による資産減少に対する耐性が低く、不安を抱えていると述べた。
英国ISAとの比較と制度の改善提案
日本がモデルとした英国のISA(個人貯蓄口座)には、預金型、投資型、併用型の3種類が存在し、預金型が65%、投資型が19%、併用型が16%を占めている。小池氏は、「併用型を含めればISAの8割は預金である」と強調し、日本の金融機関が英国民の4割が投資していると誤解を招く説明をしていると批判した。これに対し、金融庁の伊藤豊監督局長は、小池氏の指摘を受け、当該機関に自主的な修正を促したと述べた。
さらに、小池氏は「日本もリスク運用ばかりでなく、NISAに預金を加えたり、預金利子への非課税制度を復活させたりするなど対応が必要だ」と主張したが、加藤勝信財務相は「貯蓄から投資への流れを進めることが重要」として、提案を拒否した。
リスク抑制のための具体的提案
小池氏は、金融庁が「投資は余裕資金で行う」と教育しているが、若い世代の投資資金は「余裕資金」ではなく「生活資金」であると指摘し、英国の方法に学ぶべきだと強調した。具体的には、NISA制度に預金型の選択肢を加えることや、預金利子への非課税制度の復活を提案した。
今後の課題と展望
NISA制度の利用者が増加する中で、特に若年層のリスク耐性や知識不足が懸念されている。制度の柔軟性を高め、リスクを抑えた運用が可能となるような見直しが求められている。今後、政府や金融庁がどのような対応を取るかが注目される。