2025-12-04 コメント投稿する ▼
年金は命綱 高齢者が厚労省に座り込み給付改善を要求
年金は高齢者にとっての「命綱」であり、現在の給付水準では安心して暮らせないという怒りが高まっていると語りました。 小池氏は、現政権が高齢者より現役世代の負担を重視し、高齢者が医療や介護で支えるべきだという姿勢を批判。 両団体は、年金給付水準の改善、介護保険利用料の負担拡大の再検討、病床削減の中止などを厚労省に要請し、座り込み後も「高齢者の暮らしを守れ」と声をあげ続けました。
年末の寒空の下 高齢者が声をあげる
2025年12月4日、東京都内で多くの高齢者が厚生労働省(厚労省)前の歩道約100メートルにわたって座り込みを行いました。主催は日本高齢期運動連絡会と全日本年金者組合東京都本部で、高齢者たちは年金の引き上げと生活支援を求めて声をあげました。
主催者側代表の千野律子執行委員長は、年末年始を祝いたくとも「年金が物価高に見合っておらず、それどころではない」と訴えました。年金は高齢者にとっての「命綱」であり、現在の給付水準では安心して暮らせないという怒りが高まっていると語りました。
参加した77歳の男性は、物価高のせいで「すき焼き肉を細切れ肉で我慢しなければならない」と生活の苦しさを語り、「食品以外はほとんど買えない」「消費税率を5%にしてほしい」と訴えていました。
政治家も参加 高齢者支援を主張
座り込みには、小池晃書記局長(日本共産党)や吉良よし子参院議員、山添拓参院議員、さらに衆院議員の田村貴昭氏、本村伸子氏らが参加しました。
小池氏は、現政権が高齢者より現役世代の負担を重視し、高齢者が医療や介護で支えるべきだという姿勢を批判。「高齢になれば病院に行くことがふえるのは当たり前。負担が軽いことこそ平等だ」と述べました。さらに「軍事費を削って、その分を医療や介護、年金のために回すべきだ」と力を込めました。
両団体は、年金給付水準の改善、介護保険利用料の負担拡大の再検討、病床削減の中止などを厚労省に要請し、座り込み後も「高齢者の暮らしを守れ」と声をあげ続けました。
年金制度の現状と“実質目減り”
現在の公的年金制度では、毎年の年金改定にあたって、賃金や物価の変動を基に見直すと定められています。ところが、2004年の制度改正で導入されたマクロ経済スライドの仕組みにより、その上昇幅が調整されるようになりました。具体的には、賃金や物価の上昇率から、被保険者の減少や平均寿命の伸びを加味した「スライド調整率」を引いて年金改定率を決めるため、たとえ物価が上がっても年金の増え方は抑えられてしまいます。
2025年度は、名目手取り賃金変動率が+2.3%、しかしスライド調整で▲0.4%が差し引かれ、年金支給額の改定率は+1.9%にとどまりました。名目では増えたものの、2024年の物価上昇率(2.7%)を下回るため、実質的には購買力が目減りする結果となっています。
このように、制度上は毎年調整が行われているものの、多くの高齢者からは「物価高についていけない」「年金が生活に足りない」といった声があがります。今回の座り込みは、まさにその不満と苦境の表れです。
政府の姿勢と求められる対応
少子高齢化と人口減少が進み、公的年金制度を支える現役世代の負担増と将来世代の給付確保を両立させる必要がある。マクロ経済スライドは、そうした財政的なバランスをとるために導入された仕組みです。
しかし、現実の高齢者の暮らしを考えれば、制度の「持続性」だけを優先していては社会の安定は守れません。年金が「命綱」である高齢者にとって、給付の実質改善は喫緊の課題です。
主催団体や参加者、政治家の声は明確です。年金を引き上げ、医療・介護を支える社会保障の強化を図るべきだ、ということです。特に物価高が続き、生活コストが上昇する今、政府・厚労省は制度改正も含めた真剣な対応を迫られています。
今後、年金水準の見直し、スライド調整の停止や再検討、さらには税・社会保障の在り方そのものを含めた議論が必要です。高齢者の暮らしを守る――それは日本社会の基本であり、未来を担う若い世代の安心にもつながる重要な問題です。