2025-10-30 コメント投稿する ▼
小池晃・山添拓氏がリニア隆起現場を視察 「工事中止・計画断念を」求める声広がる
東京都品川区のリニア中央新幹線工事現場直上で地面が最大13センチメートル隆起するという異常が発生しました。 視察に同行した石田ちひろ区議は、「森澤恭子区長が迅速に対応したのは評価できるが、原因が究明されるまでは工事を再開すべきでない」と述べ、「区は住民の声を反映し、毅然とした態度でJR東海に臨むべき」と強調しました。
地面13センチ隆起の異常事態
東京都品川区のリニア中央新幹線工事現場直上で地面が最大13センチメートル隆起するという異常が発生しました。発生は10月28日頃とみられ、周辺住民がSNSに写真を投稿し発覚しました。28日早朝には「ドーン」という大きな音を聞いたという証言もあり、地下工事が原因である可能性が指摘されています。現場周辺では地割れや段差も確認され、住民の間では「また沈下するのでは」と不安の声が広がっています。
小池晃氏・山添拓氏が現場視察
10月30日、日本共産党の小池晃書記局長と山添拓政策委員長(ともに参議院議員)は、田中とも子都議、石田ちひろ品川区議、白石民男前都議らとともに現場を視察しました。案内したのは、「リニア新幹線の中止を求める品川区民の会」の新美一美共同代表と上野信男世話人です。
小池氏らは隆起地点の状態を直接確認し、住民から被害状況や不安の声を聞き取りました。上野氏によると、隆起発生後、近隣では家屋の壁に亀裂が入るなどの報告もあり、工事再開への懸念が強まっているといいます。
「夜中にドンという音で目が覚めた。まさか地面が盛り上がっているとは思わなかった」
「リニアの工事が始まってから、振動や騒音がひどくなった」
「JR東海は説明会を開くと言いながら、住民に知らせずに進めている」
「安全よりも工期を優先しているのではないか」
「東京のど真ん中でこの状態、全国のトンネル工事も心配だ」
こうした声が次々と上がり、地元住民の不安は深刻です。
小池氏「リニア計画は断念を」
小池氏は視察後の取材で、「重大事故の発生に加え、総工事費が11兆円にまで膨れ上がっている。これ以上の安全軽視を許せない」と強調しました。そして「工事を中止し、リニア計画そのものを断念すべきだ。国とJR東海に強く求めていく」と述べました。
山添氏も「地下深くを掘り進めるリニア工事は、地盤や地下水への影響が大きい。今回の隆起は警鐘だ」と語り、調査と説明責任の徹底を求めました。
住民の安全と地方自治の尊重を
視察に同行した石田ちひろ区議は、「森澤恭子区長が迅速に対応したのは評価できるが、原因が究明されるまでは工事を再開すべきでない」と述べ、「区は住民の声を反映し、毅然とした態度でJR東海に臨むべき」と強調しました。
その後、区民の会の新美氏らはJR東海東京事務所を訪れ、原因究明、工事の中止、そして住民との直接対話の説明会開催を求める申し入れ書を提出しました。
リニア計画の再考と国の責任
リニア中央新幹線計画は、東京―名古屋間を約40分で結ぶ国家プロジェクトとして推進されてきましたが、環境破壊や巨額のコスト、地盤リスクなどが各地で問題視されています。今回の隆起はその懸念を裏付ける事例といえます。
工事費は当初想定の2倍以上となり、今後さらに増加する可能性も指摘されています。国民の税金や公的融資が関わる以上、「国益の説明責任」を果たさずに進めることは許されません。国は「経済成長」の名のもとに危険を押し付けるのではなく、計画そのものを再検証すべきです。
現場の安全よりも開業時期や採算性を優先する姿勢が続けば、再び大規模な事故を招きかねません。今こそ、政治と企業が責任を明確にし、リニア計画を白紙に戻す決断が求められています。