2025-09-16 コメント投稿する ▼
自民党総裁選は「国民不在」 企業献金問題と消費税減税回避で批判噴出 小池晃氏が“泥舟政権”を指摘
裏金事件に対する反省や企業・団体献金の禁止といった基本的な姿勢が見られないこと、そして経済政策でも国民生活に直結する消費税減税を議題にすら上げない点を強調した。 小池氏は「消費税減税やインボイス廃止を真剣に議論すべきだ」と訴え、補助金頼みの施策は一時的で根本的な経済再生にはつながらないと批判した。
自民党総裁選に見える矛盾と行き場のない政策
日本共産党の小池晃書記局長は16日、国会内で記者会見を開き、自由民主党(自民)の総裁選について「候補者の誰一人として現状の問題を打開できる展望を示せていない」と厳しく批判した。裏金事件に対する反省や企業・団体献金の禁止といった基本的な姿勢が見られないこと、そして経済政策でも国民生活に直結する消費税減税を議題にすら上げない点を強調した。小池氏は「物価高で苦しむ国民を前にしてまともな対策が打ち出せない」とし、総裁選は国民不在の権力争いに堕しているとの見方を示した。
さらに小池氏は、防衛費の大幅増額やアメリカ追随の外交方針を当然視する候補者たちの姿勢に触れ、「排外主義と結びつく危険がある」と警鐘を鳴らした。これらの姿勢が、極右・排外主義勢力と結託した“反動ブロック”形成へとつながる恐れを指摘した。
「裏金の説明責任も果たさず、また同じことを繰り返すのでは」
「減税を無視して補助金ばかり、もう国民は限界だ」
「アメリカの顔色ばかり見て日本の利益はどこにあるのか」
「極右的な空気を広げるような政権運営は危険だ」
「誰が総裁になっても結局は泥舟政権に過ぎない」
企業・団体献金をめぐる不信感と国民の怒り
小池氏が特に強調したのは、企業・団体献金の問題である。自民党は過去にも政治資金規正法違反や裏金問題で揺れてきたが、総裁選候補者の誰も「企業・団体献金禁止」という根本的な改革を語らない。これは国民にとって深刻な不信感の要因である。
市民の声としても、献金が特定業界への優遇や政策の歪みを生んできた過去の事例を忘れてはいない。過去のバブル期における不動産業界への便宜供与や、公共事業を巡る政治献金スキャンダルなど、長く積み重なってきた歴史がある。企業献金を禁止できない限り「政治とカネ」の問題は終わらないという視点は根強い。
さらに、財政再建や社会保障の持続可能性を口実に、消費税の維持や増税の議論は出てくる一方で、減税による直接的な生活支援の声は軽視されている。小池氏は「消費税減税やインボイス廃止を真剣に議論すべきだ」と訴え、補助金頼みの施策は一時的で根本的な経済再生にはつながらないと批判した。
連立の思惑と“反動ブロック”形成の危険性
今回の総裁選を巡っては、自民党が維新や国民民主党といった野党との接近を強める動きも見える。小池氏は「連立をもくろむラブコールの応酬」と表現し、維新の藤田文武共同代表が「自公との連立も選択肢」と発言したことを取り上げた。
この構図は、政治のゆがみをそのまま継続しつつ、さらに極右・排外主義的な要素を取り込んでいく危険性を含む。小池氏は、日本共産党として「政治のゆがみを正面からただし、極右・排外主義と闘う二重の役割」を果たすと強調した。
過去にも日本政治は「補完勢力」と呼ばれる政党が、自民党の延命に協力することで、結果的に政治の閉塞を強めてきた経緯がある。自民党と公明党の連立体制に新たな政党が加わることは、「泥舟政権」にさらなる重荷を加える構図にほかならない。国民からすれば、選挙のたびに“選択肢の拡大”と称しながら、実際には権力維持のための手段でしかないと映っている。
国会の役割と今後求められる政策議論
小池氏は臨時国会の早期召集についても強く言及した。消費税減税、インボイス廃止、軽油価格を巡るカルテル問題、災害対応など、直ちに議論すべき課題は山積している。石破茂首相が退陣を表明した後も内閣は存続しており、委員会を開くことは可能であるとし、「政府は国民生活を第一に考え、国会の役割を果たすべきだ」と主張した。
歴史的に見ても、日本の政治における転換点では常に「減税か増税か」「国民生活か財政規律か」という対立が浮上してきた。リーマン・ショック後の一時的な給付金政策が経済効果を発揮しなかったことは記憶に新しい。今回もまた、給付金頼みの経済対策に偏れば、国民の暮らしを直接支える減税の声を無視することになる。
小池氏の発言は、単なる共産党の立場表明にとどまらず、国民が直面している現実の課題を浮き彫りにするものだった。総裁選という政治イベントの裏側で、企業献金やインボイス、減税をめぐる真の論点が置き去りにされている現状に、社会全体がどう向き合うかが問われている。
自民党総裁選と企業献金問題・減税議論の焦点
今回の総裁選を巡る動きは、自民党内の権力争いにすぎず、国民の暮らしに直結する課題には向き合えていない。裏金問題、企業・団体献金、消費税減税、インボイス廃止といった根本的な議題を避け続ける限り、政権への信頼は回復しない。小池氏の批判は、こうした現状への警告でもある。
国民が求めているのは新たな連立構想や権力闘争ではなく、生活に直結する経済政策の転換である。給付金頼みではなく、減税による持続的な生活支援が必要であり、企業献金を断ち切る政治改革が不可欠だ。総裁選をきっかけにこれらの論点が国会で真正面から議論されるかどうかが、今後の日本政治を大きく左右するだろう。