2025-08-31 コメント投稿する ▼
津波到達時刻を過ぎた後に初アナウンス 万博協会の対応に大阪市長が「課題」と苦言
津波警報に遅れたアナウンス 市長が「課題」と指摘
カムチャツカ半島付近の地震により大阪府内に津波注意報が発令された7月30日、2025年大阪・関西万博の会場である夢洲において、来場者への初動アナウンスが津波到達予想時刻を過ぎた午後0時7分になったことが波紋を呼んでいる。
大阪市の横山英幸市長は翌31日、記者団の取材に応じ、「到達時刻よりアナウンスが遅れたことは明らかに課題だ」と苦言を呈した。市長は「情報の発信は管理主体の責任。早急に会場内や協会ホームページで発信すべきだった」と、発災時の連携体制の甘さと危機管理の在り方に疑問を呈した。
会場は通常運営も、情報共有に大きな遅れ
日本国際博覧会協会(万博協会)は、30日午前10時の津波注意報発令を受けて災害対策本部を設置。その後、安全性を確認したとして、パビリオンの運営や各種イベントは予定通り継続された。
会場の夢洲は土地がかさ上げされており、津波予想の高さ(1メートル)を上回っていたことが理由だとされる。しかし、会場にいた来場者や関係者にその情報が伝えられたのは、津波が到達するとされた正午を7分過ぎた午後0時7分。協会側は「安全性を確認していたが、大阪府市との情報調整や英語翻訳などに手間取り、アナウンスが遅れた」と説明し、「ご迷惑をおかけした」と陳謝した。
自治体との連携不足も露呈
横山市長は、今回の対応をめぐって「協会と大阪市との間で特段のやり取りはなかった」と明かした上で、今後は市の事務方から協会側に対し改善を要望していくと述べた。
また、「万博は国内外から来場者が集まる場であり、危機時の情報発信は迅速さと正確さが何より重要」と強調。万博の国際性を踏まえた対応体制の強化が今後の焦点となる。
有権者からも「安全確保より説明が先?」と疑問の声
SNS上では、津波の危険が懸念されるなかでアナウンスが遅れたことに対して、多くの有権者が不安と憤りを示している。
「津波到達の後にアナウンスって、それ危機管理じゃなくて後追い」
「海外からの観光客にどうやって安全を伝えるつもりだったのか」
「1メートルの津波でも被害が出る可能性あるのに、のんきすぎない?」
「英語訳で時間がかかった?もっと早くやれる手はあったはず」
「来場者の安全よりも、イベント中止を避けたかっただけでは?」
こうした声からも、万博協会の初動対応に対する疑念が広がっている。特に、海外からの来場者が多数を占めることが見込まれる万博会場では、多言語対応を含む災害情報の迅速な共有体制が不可欠だ。
命を守る情報は「後回し」にできない
今回の事態は、万博という大規模国際イベントにおける災害対応の脆弱さを露呈した。かさ上げによる安全性があったとしても、来場者に対してその情報が速やかに共有されなければ、誤った判断や混乱につながる可能性がある。
日本が世界に向けて「安全な開催」を掲げる以上、災害時の初動対応、情報発信、自治体との連携などは万全でなければならない。大阪市と万博協会がそれぞれ責任を押し付け合うような構図では、信頼を失うばかりだ。
来場者にとっては、安心して過ごせる環境こそが万博の前提条件であり、それを支えるのは「情報の速さと正確さ」である。今回の教訓を機に、災害時における共通マニュアルや言語対応の見直し、即時伝達の仕組み整備が急がれる。