2025-08-29 コメント投稿する ▼
大阪で特区民泊廃止要望 住民生活と観光の均衡が問われる
大阪で特区民泊廃止を求める声 業界団体が府市に要望
大阪市を中心に広がる「特区民泊」が新たな局面を迎えている。29日、大阪府簡易宿所生活衛生同業組合と大阪府旅館ホテル生活衛生同業組合は、大阪市と大阪府に対し特区民泊の廃止を求める要望書を提出した。要望書では「安心安全な都市生活を破壊する」と強い言葉で問題を訴え、住民生活との摩擦が深刻化している現状を示した。
特区民泊は国家戦略特区制度に基づき、マンションの居室や一軒家を宿泊用に通年営業できる仕組み。大阪市内の認定件数は全国の約95%を占め、6月末時点で6899件に上っている。
「ゴミ出しや騒音で生活環境が壊されている」
「観光客は必要だが、規制なき民泊は迷惑」
「外国資本が不動産を押さえて地域住民を追い出している」
「宿泊需要よりも住民の暮らしを守るべき」
「泥舟連立政権が放置してきた結果だ」
住民生活を圧迫するトラブル
大阪市では、ごみ出しマナー違反や深夜の騒音が日常的な問題となり、地域住民の不満が高まっている。さらに、外国人による不動産取得の温床となり、アパートのオーナーが住民を退去させて民泊運営に転換する事例も報告されている。
観光立国を掲げる政府の方針の一方で、住民生活との軋轢が深刻化すれば地域の理解を得られず、結果的に観光業そのものの持続性を損なう危険がある。
業界団体の危機感
府旅館ホテル生活衛生同業組合の岡本厚理事長は「これ以上増やさないことはすぐに対応してほしい」と強調。新規受付の停止を含め、特区民泊制度の廃止を強く求めた。旅館やホテル業界にとっても、民泊の急拡大は価格競争やサービス品質低下を招きかねず、業界全体への悪影響が懸念される。
府市の対応と今後の議論
大阪市は規制の在り方を検討するプロジェクトチームを設置し、課題整理や対策作成に取り組んでいる。大阪府も市町村への意向調査を開始し、政策転換に向けた議論を本格化させる構えだ。
観光と地域生活の調和をどう図るかは全国的な課題であり、大阪の判断は他自治体にも影響を及ぼす可能性がある。住民の生活環境を守る視点に立った制度改革が求められている。