2025-07-04 コメント投稿する ▼
社民党2025参院選公約を読み解く:理想と現実の乖離、「ミサイルよりコメ」は通用するか
“がんこに平和”と掲げるが、国防・経済の具体性に乏しさ
2025年の第27回参議院選挙に向けて社民党が発表した公約は、平和・福祉・ジェンダー平等・脱原発を軸に据えた「生活者優先」の色が濃い内容となっている。キャッチフレーズは「がんこに平和! ミサイルよりコメを!」。防衛予算削減と福祉重視の転換を訴えている。
だが、そのスローガンに疑問の声が出ている。国際情勢が不安定化し、日本周辺でも中国、北朝鮮、ロシアなどの軍事的緊張が続く中、「防衛より生活」を全面に出す姿勢は、安全保障への対応をあまりに軽視しているとの批判を受けている。
「がんこに平和って…外交も防衛もなしでどうやって守るの?」
「コメよりミサイルって極論すぎて現実見てない」
「国守れなきゃ、福祉も教育も全部成り立たない」
「9条を守ってるから戦争起きないって信じてるのが逆に怖い」
「子育て支援とかは良いのに、軍事拒否で全部が信頼できない」
ゼロ税率と社会保障の拡充…財源は?
社民党の公約では「食料品消費税ゼロ」「最低賃金1500円」「社会保険料の半減」「最低保障年金10万円」など、生活支援に力点を置く政策が並ぶ。だが、あまりに大盤振る舞いの内容に「どうやって財源を確保するのか」という疑問が集中している。
公約では「防衛費を削減すれば5兆円は生まれる」とし、法人税や金融所得課税の強化、大企業の内部留保課税で賄うと説明されている。しかし、それが現実的に可能かどうかは不透明だ。企業課税の強化は、雇用・投資への悪影響を伴いかねない。
また、社民党はインボイス制度の中止も掲げており、税の徴収基盤そのものを弱体化させる方針を示している。「応能負担」という大義名分のもとで、実際には国の財政基盤を揺るがしかねない施策ばかりが並ぶ印象だ。
「原発ゼロ」「自然エネルギー100%」の夢と現実
脱原発は社民党の長年の主張だが、今回も「原発ゼロ・自然エネルギー100%」を強調している。災害国家・日本で安全なエネルギー政策を確立することは急務だが、技術・コスト・安定供給の三点を無視して「100%自然エネルギー化」を謳うのは、あまりに楽観的ではないか。
また、防災対策として「防災省の創設」「自衛隊の災害救助隊化」を掲げているが、それが実現した際、現行の国防機能にどれだけの空白が生まれるかという懸念には一切触れられていない。防災と防衛は二項対立ではなく、両立が求められるものだ。
ジェンダー・差別対策への言及は評価も…選択的夫婦別姓や同性婚に批判の声も
社民党は「ジェンダー平等」「包括的差別禁止法」「同性婚の早期実現」「選択的夫婦別姓」など、社会的少数者の権利向上にも力を入れている。特に女性の政治参画促進、奨学金の給付型化、子ども医療費の無償化などは多くの人の支持を得る内容だろう。
しかし、同時に「多文化共生」「移民・難民の排除反対」を強調している点には、慎重な姿勢を求める声もある。文化や慣習、法制度の違いを軽視して移民受け入れを推進することが、社会の分断や治安悪化を招く懸念もあり、共生には現実的なルール整備が不可欠だ。
平和主義か、現実逃避か。問われるのは“責任ある国家ビジョン”
社民党の公約は一貫して「平和と生活」を前面に押し出す。しかし、軍事力を否定し、経済に対しても過剰な負担を求め、かつ全方位的な支援政策だけを拡充するスタンスは、持続性に著しく欠ける。
国際関係が激変し、エネルギー・食料・安全保障・経済が密接に絡み合う現在、日本の未来を預けられる政党には「理想」だけでなく「現実的な改革」が求められている。「ミサイルよりコメ」は耳に残るが、実際に国民の命と暮らしを守る道筋を示せなければ、その言葉は空虚に響く。