2025-06-08 コメント投稿する ▼
八王子から都政改革を訴えるアオヤギ有希子都議の挑戦と現実的課題
八王子から暮らし改革を訴えるアオヤギ都議
東京都議会議員選挙の告示を目前に控えた6月8日、日本共産党の田村智子委員長が八王子市で街頭演説を行い、2期目を務めるアオヤギ有希子都議の再選に向けて強く支持を呼びかけた。
「生まれた時代や地域によって苦労を強いられる社会はおかしい。多摩格差を解消するためにアオヤギさんは全力で取り組んできた」と田村氏は語り、アオヤギ氏の姿勢を「怒りを力に変える都政改革の象徴」と称した。
八王子駅前には多くの通行人が立ち止まり、その訴えに耳を傾けた。アオヤギ氏自身も「子どもたちの学ぶ権利を保障する東京都へ」と決意を語り、前回公約に掲げた「市内すべての学校体育館へのエアコン設置」が実現したことを報告した。
この取り組みは多くの保護者からも評価されており、酷暑が続く中での教育環境の改善は、都民の実感に即した成果だと言える。
「水道料金無料」より減税の現実的な声
街頭演説の中で田村氏は、小池都政が打ち出した水道基本料金の4カ月無料施策について触れ、「元は共産党のアイデア」と強調。フリーアナウンサーの古舘伊知郎氏の動画を引用し、「小池知事にパクられた」と痛烈に皮肉った。
アオヤギ氏も「水を流す場所が間違っている」と語り、お台場への巨大噴水建設計画を批判。「水道料金を恒久的に無料に」と訴えたが、持続可能性への説明は不十分である。
東京都の財政は現在こそ潤沢とはいえ、水道事業は独立採算が原則。財源の裏付けなしに「無料化」を訴えることは、むしろ未来の都民に負担を先送りすることになりかねない。暮らしを守るならば、即効性のある所得税や住民税の減税こそ現実的だ。
「水道料金無料はうれしいけど、ずっと続くのか不安」
「減税の方が実感できる暮らしの支援だと思う」
「アオヤギさんの教育政策は評価してる。でも財源が見えない」
「共産党の実績って、都だけで完結できないこと多くない?」
「八王子はもっと実利的な改革を求めてると思う」
八王子での実績と課題が交錯する現場
アオヤギ氏の実績の一つであるエアコン設置は、たしかに都民の健康と教育環境の改善に寄与している。しかし、教育予算全体の見直しや、教職員の人員不足、少人数学級の実現といった中長期的課題については、都単独での対応には限界がある。
さらに、田村氏が「自民党は八王子区で2議席を狙っているが、1人は裏金議員」と断じ、アオヤギ氏を「クリーンな改革派の代表」として対比させた場面も印象的だった。ただし、裏金問題に対する批判だけで有権者の支持が得られる時代は終わっている。必要なのは、「何をどう変えるのか」という具体性であり、信頼できる財政プランと政策実行力である。
八王子の選択が問う「暮らしを守る」の本質
アオヤギ氏は、今回の選挙戦でも「少人数学級」「教員の大幅増員」「学用品・修学旅行の無償化」「朝鮮学校への補助金再開」などを公約に掲げている。これらは理想として理解できるが、補助金の再開や無償化政策には必ず財政負担が伴い、他の政策との優先順位や公平性の問題が浮上する。
住民の声を代弁するという姿勢は評価されるが、持続可能な行政運営を考慮するなら、まずは現役世代や企業の税負担軽減など、経済基盤を強化する減税政策の導入を検討すべきではないか。東京都の財政が強い今こそ、長期的に安定した自治体運営の道筋を示す責任がある。
「誰もが住み続けられる東京」を実現するためには、耳触りのよい無償政策や単発の施策だけでなく、経済・財政の現実に向き合った骨太なビジョンが必要だ。