2025-06-19 コメント投稿する ▼
田村智子氏がG7声明に抗議「イスラエル擁護は二重基準」―石破首相の曖昧な対応に批判噴出
「自衛権」名目の先制攻撃を是認? G7声明に田村委員長が猛反発
6月19日、国会内で行われた与野党党首会談で、日本共産党の田村智子委員長が石破茂首相に対し、先日発表されたG7首脳会議の共同声明について厳しく抗議した。問題視されたのは、イスラエルによるイランへの先制攻撃に対し、G7が「自衛権」に基づく行動と擁護し、イランを一方的に非難した点だ。
田村氏は、「G7が強調してきた“法の支配”“ルールに基づく国際秩序”はどこに行ったのか」と指摘。イランを名指しで非難しながら、国際法違反の先制攻撃を行ったイスラエルに「自衛権」を認めるような共同声明に、日本が賛同した事実を厳しく追及した。
「“自衛権”って言えば何してもいいの?ルールを都合よくねじ曲げるのがG7のやり方?」
「ダブルスタンダードでは国際的信用を失う」田村氏が矛盾を突く
さらに田村氏は、共同声明の内容が、わずか数日前に岩屋毅外相が発表した談話と真っ向から矛盾していると指摘。岩屋氏の談話では、「軍事的手段は到底許容できず、極めて遺憾」としてイスラエルの先制攻撃を明確に非難していた。
田村氏は「この外相談話が日本政府の立場だとサミットの場で伝えたのか?」と問い詰めたが、石破首相は「日本政府の立場は外相談話の通りだが、G7はG7だ」と曖昧な返答に終始。田村氏は「日本政府が二重の立場を取ることになる」と矛盾を突いたが、首相はこれに対し明確な説明を避けた。
「政府の立場が二枚舌じゃ国際的にバカにされるだけ」
「トランプ追従では日本の立場は揺らぐ」米の軍事介入に懸念も
加えて田村氏は、トランプ米大統領がイランへの軍事介入を検討しているとの報道に触れ、「もし米国が本格的な武力行使に出れば、それ自体が国際法違反となる」と述べ、米国に対して自制を促すよう求めた。
しかし、石破首相は米国の行動について明言を避ける一方で、「イランが交渉のテーブルに着くことが重要」と発言。事実上、問題の焦点をイラン側に置き、米国に対する言及を避けた。
この姿勢に対しても田村氏は、「イスラエルの無法行為を擁護するトランプ大統領の顔色ばかりうかがい、米国に従属した姿勢を続ければ、日本は国際社会からの信用を失うことになる」と警告した。
「日本がアメリカの顔色をうかがってばかりじゃ、独自外交なんて夢のまた夢」
「ちゃんと“NO”が言える国にしないと、いつか巻き込まれる」
外交の一貫性と主権をどう守るか 問われる日本の立場
今回のG7声明における賛同姿勢と、岩屋外相の発言との間に見える齟齬は、政府内での立場の不統一を露呈した格好だ。外交における一貫性は国際社会における信頼の根幹であり、曖昧な態度はむしろ日本の立場を弱めかねない。
田村氏が一貫して主張したのは、「どの国であれ、国際法を無視した武力行使を容認してはならない」という原則だ。それが米国であっても、イスラエルであっても、適用されるべき“普遍的なルール”を貫けるかが、いまの日本に問われている。