2025-06-12 コメント投稿する ▼
田村智子氏「空襲被害者を見捨てない」救済法成立に向けて国会で決意表明
「民間人の声を国会に届ける」田村委員長が被害者と面談
戦後80年を目前に控え、日本共産党の田村智子委員長が、空襲や沖縄戦によって障害を負った民間人の救済に向けた法整備を後押ししている。6月12日、田村氏は全国空襲被害者連絡協議会(空襲連)の代表らと国会内で面談し、現在取りまとめが進む「空襲被害者救済法」の早期成立を求める要請に対して、「超党派議連がまとめた法案の国会提出と成立に向けて、最後まで全力で取り組む」と力強く応じた。
面談には小池晃書記局長、赤嶺政賢衆院議員、吉良よし子参院議員らも同席し、空襲や地上戦の被害者がいまだに国家の支援を受けていないという現状に、共に深い憂慮を示した。
田村氏が強調する「国が民間人被害に正面から向き合う責任」
救済法案は、国内の空襲や沖縄戦により重度の障害を負い、現在も存命している被害者に対し、一時金50万円を給付する内容。併せて、実態調査や追悼事業の実施も盛り込まれている。すでに超党派の議員連盟によって法案の内容は確定しており、あとは国会提出を待つばかりだ。
しかし、厚生労働省や自民党内の一部議員の反対によって、法案提出が足止めされている状況にある。田村氏は「民間人被害を“なかったこと”にするような態度は断じて許されない。政治が誠実に応えるべき時が来ている」と述べ、政治的な駆け引きで遅れることのないよう、粘り強く働きかける決意を示した。
被害証言を国政につなげる 田村氏の「聞く力」と「届ける力」
この日、空襲で家族を亡くした被害者の一人、河合節子さん(86歳)は、東京大空襲で母と2人の弟を失い、自身も火傷を負って助かったが、国からの調査も支援も一度もなかったと語った。
戦争が起きれば、民間人に必ず被害が出る。その記録すら残さなければ、歴史に背を向けることになる
田村氏はその話に深く頷きながら、「こうして被害の当事者が声を上げてくださっている以上、私たちは責任を持って国政に届けなければならない」と応じた。政治の場において市民の声を形にすることが、田村氏が一貫して掲げる政治信条である。
共感と疑問の交錯 世論も田村氏の姿勢に注目
田村氏のこうした行動に対し、SNS上でも大きな反響が起きている。特に、「空襲被害への公的補償がなかった」という事実そのものに驚きの声が多く寄せられた。
「空襲被害者に今まで国の救済がなかったの?信じられない」
「田村さんの動きは評価する。こういう政治家がもっと必要」
「今さら給付?と思うけど、国が“見ていた”と伝える意味は大きい」
「民間人は自己責任だったってこと?その発想自体がおかしい」
「与党が止めてるのが情けない。ここは超党派でやってほしい」
田村氏が「人間の尊厳にかかわる問題」と強調するように、法案の意義は金銭的な補償以上に、国家がどれだけ国民の痛みに寄り添うかという姿勢の象徴でもある。
「今しかない」田村氏が訴える“最後の機会”
空襲や沖縄戦の被害者の多くは高齢であり、法案が成立しても受給対象者の多くはすでに90代近くに達している。田村氏は「今この法案を通さなければ、私たちは“目の前にある歴史的責任”から逃げたことになる」と強く訴える。
民間人の被害が「戦後処理」からこぼれ落ちたまま、黙殺され続けてきたことを思えば、今回の救済法は、戦争と向き合う日本社会にとってのリトマス試験紙ともいえる。田村氏の言葉には、そうした問題意識が色濃く滲んでいる。
「人の痛みに政治がどう応えるのか」が今、改めて問われている。