2025-06-10 コメント投稿する ▼
共産・田村智子氏が立民との野党共闘に意欲 れいわには苦言も消費税減税を主張
参院選で野党共闘を模索 「立民中心」に軸足
共産党の田村智子委員長は6月10日、産経新聞の単独インタビューで、夏の参議院選挙に向けて立憲民主党を中心とする野党共闘に強い意欲を示した。焦点は、定数1のいわゆる「1人区」32選挙区での候補者調整にある。田村氏は「共闘の意思確認」「基本政策の合意」「対等・平等・相互尊重の選挙協力」という3つの原則を提示し、共闘の枠組みづくりを模索している。
昨年の衆議院選挙では、立民の野田佳彦代表が安全保障関連法を容認する発言をしたことから、共産党側は選挙協力を限定的にとどめた過去がある。しかし田村氏は「安保法制の違憲部分の廃止を立民が再確認した」と述べ、再び共闘に踏み切る環境が整ったと説明。「政治は生き物だ。それぞれの政党で論争や批判はあって当然だ」と語り、柔軟な姿勢を打ち出した。
だが、立民が今なお安保政策での立場を明確にし切れていない中、共産党との選挙協力は支持層からの反発を招く可能性もある。特に、安全保障や皇室制度をめぐる考え方の隔たりは根深く、基本政策の合意という前提は容易ではない。
消費税5%への減税、コメ農家支援など掲げる
共産党は今回の参院選で、物価高騰対策として消費税率を一律5%に引き下げる政策を柱に据えている。田村委員長は「大企業や富裕層を優遇する税制を見直すことで財源を捻出する」とし、格差是正の立場を鮮明に打ち出した。
また、足元のコメ価格の上昇にも言及し、「自民党はこれまでの農政を反省すべき」と厳しく批判。減反政策からの転換と、生産奨励・所得補償の導入によってコメの安定供給を確保すべきだと訴えた。農業政策では一貫して「価格と所得の保障」を主張しており、地域票の獲得も視野に入れている構えだ。
ただし、消費税減税と農家支援という二大政策の財源を、「企業課税の強化」のみに依存する姿勢には懸念の声もある。徴税強化によって企業の海外流出や雇用減につながるリスクをどう抑えるかという観点では、対案が不足しているという指摘も否めない。
れいわとの関係には温度差も 「無責任な財源論」と批判
田村氏は、共産党と支持層が重なりがちなれいわ新選組についても言及。「戦う相手ではない。切磋琢磨したい」としながらも、れいわが主張する「国債発行による消費税減税の財源確保」については、「政策として無責任」と断じた。
この発言は、れいわの積極財政・MMT(現代貨幣理論)に基づく財政政策への明確な対立姿勢を示すものだ。共産党はあくまで「富の再分配による財源確保」にこだわっており、左派ポピュリズムに傾くれいわの姿勢には一定の距離を置いている。
それでも、「自民党政治を倒す」という大義のもとでは、「批判しつつも連携する」という共産党の戦略が見え隠れする。政権交代を見据えた野党勢力の結集が模索される中、各党が掲げる財源論の違いは、有権者にとって重要な判断材料となりそうだ。
自民・維新・国民との対決姿勢鮮明に 参院での巻き返し狙う
共産党は今回の選挙で、比例代表で650万票、得票率10%超を掲げ、比例で5議席、選挙区で3議席以上の獲得を目指す構えだ。田村氏は「参院選でも自民・公明を少数に追い込めば、国政に劇的な変化が起きる」と語り、政権への対決姿勢を強調。
加えて、維新や国民民主についても「自公の補完勢力」と位置づけ、強い警戒感を示した。政策の方向性が重なる点を多く持つ両党に対して、真の対抗軸は自らだという意識を前面に出している。
しかし、有権者の間では、共産党の一部政策への懐疑や、「野党連携における主張の強さ」が足かせになると見る声も根強い。現実的な政権運営のビジョンが見えなければ、票を拡大するのは容易ではないだろう。
「自民を倒すなら協力すればいい。野党同士の潰し合いはうんざり」
「共産は減税を主張しているけど、富裕層叩き一辺倒なのが気になる」
「れいわ批判より、連携を模索してほしい」
「企業課税で全部まかなえるって本気で思ってるの?」
「政権批判ばかりじゃなく、実現可能なビジョンがほしい」
こうした声は、政権交代を求める国民の関心が「批判」から「提案」へと移りつつあることを示している。共産党がその流れにどう応えるかが、今回の参院選での存在感に直結する。